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オリエントエクスプレス運航終了と須賀敦子
今朝、下記メールが届いて、ああそうかぁ、と思った。

きょうの産經新聞に掲載されていた産経抄です。
 http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090825/trd0908250300000-n1.htm

(「日本でも人気の高いオリエント急行が、今年12月に運行をやめ、126年の歴史に幕を下ろす。英国紙の報道を聞いて、エッセイスト、須賀敦子の『オリエント・エクスプレス』という作品を思いだした。。。」で始まる記事)

(Email From Tさん)


オリエントエクスプレスが運航終了するという話は聞いていた。私のリアクションはといえば、ああそうなんだぁ(おしまい)。

しかしこのニュースを目にした産經新聞の記者さんは、ただちに須賀敦子の『ヴェネチアの宿』最終章『オリエント・エクスプレス』の話を浮かべたという。

そうか、そうか。私はすぐにピンとこなかった。頭が硬直しているなぁ、、とぶつくさ自分を叱責したくなる。


あれは確かに印象的な話だった。

須賀さんの父親は、若き日に夢と一緒に乗り込んだオリエント急行のことを死に際に思いだし、コーヒーカップをねだる。

イタリアに滞在していた彼女は、直接ミラノの駅で列車を待ち構えて、中の担当者にこの話を打ち明ける。

するとわかりました、というふうに、白い布にくるまれたコーヒーカップが手渡され、お代はいらないと。

帰国し、枕元にもっていくと、満足げにそれを眺め、(確か)翌日、父は亡くなる。

事実は小説より奇なりのお話し。

読みながら、ふと思ったのを覚えている。

父親は、本当にコーヒーカップが欲しかったというより、娘と自分を太く結ぶ「ヨーロッパ旅行」という絆を最後に確かめたかったのではないか、と。
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2009.08.25 Tue | Books| 0 track backs,
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