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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
イタリア・アクイレイアのバジリカで その2 サカナがいない!
昨日の続きー

せっかくアクイレイアのバジリカまでたどりついたものの、コムニオーネのため入れないという。
2時間待つ余裕はない。

旅立つ前に読んだ美術書のカタログには、ここのモザイクが完璧なかたちで残り見事である旨書かれていた。美術史上価値があり、必見だと。

今は入れないと言われ、いったん来た道を戻りかけたものの、見るぞ!と燃えてきたので、入口の女性に掛け合うことに。

「少しだけ内部見せて頂けませんか?」
ノーと言われたら、「このためにわざわざ日本からきたので」とでも言うつもりだったが、意外にあっさりと、許可が出た。

でも、
「入り口はいってすぐの直径1m範囲内から動かないでね」と。

いやそれでも問題ない。入らせてもらえるだけでありがたい。
さっそく中へ。

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うわあ、床一面のモザイク。壮観だ。
この位置から余り動かずに、広い床面を見つめる。

なんでももともとのバジリカは3世紀に建立され、モザイクができたのは4世紀。
現在のバジリカの建物はその後建て直されたものだけれど、モザイク自体はその4世紀のものが残っているという。

参考:WIK「アクイレイアの遺跡地域と総大司教座聖堂のバシリカ」I

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人物像も

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鳥も

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馬も、細密にイキイキと描かれている。ポップな感じ。
4世紀という古さをまったく感じさせず、本当にそんなに古いの?と疑いたくなるほどだ。

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だが、私は焦った。
サカナがいない!
須賀敦子の本に書かれていたあのサカナの大群!

5分ほど過ぎ、例の係員が「そろそろ?」という目を向けたので、すがりつくことに。

「あのう、サカナがいるはずなんですけど、サカナは一体どこに??」

「あらあ、魚なら、ここにも ー

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ほら、あそこにも、いるでしょ?」
と言われ、なるほどー。

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多分、バジリカに付随の納骨堂に行けば、もっと大群に出会えたのだろうが、ここから動くわけにはいかないので、仕方ない。
それでも魚に対面できたのだ。
よかったじゃないか。念願果たせて!


出発前、アクイレイアのモザイクを美術書で読んだとき、なんか名前に聞き覚えがあるな、と気がついた。

須賀敦子の「地図のない道」で、ウディネの教会で挙式を上げた後、新婚旅行の折に友人の牧師につ入れて行かれた大聖堂がアクイレイアだった。

「。。。そのたびに、アクイレイアの聖堂の床の、波をくぐって泳いでいたサカナの大群が、記憶のなかできらきらと光った。大聖堂に聖母像があったのかどうか、いまでも、サカナだけに気を取られていた自分が、ふしぎに思える。」 「地図のない道」

折角の新婚旅行なのに二人きりになれず、友人とのグループ旅行になり不満を抱えていた筆者のアクイレイア大聖堂の印象がこれだった。

私の印象はといえば、
確かにモザイクは見事だった。
床一面に敷き詰められている。

とはいえ、モザイクだけでいえば、その後パドヴァの美術館で見た古いモザイクの細密画が見事だった。
装飾的要素が強く、鮮やかな色遣い。配色は見事としかいいようがない。
思わず感嘆の声をあげたほど。

アクイレイアでは、目で見たものよりもむしろ、胸に残ったのは、人々の温かさかな。

バスを降りたときに親切に道順を教えてくれた女性。
フレキシブルにバジリカに招き入れてくれた係員。

優しさが身にしみた。
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2009.08.21 Fri | Travel-Italy| 0 track backs,
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