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株式会社ブリヂストン 石橋財団の功績
◆ 石橋財団のこと、そして近代美術館を建築・寄贈した石橋正二郎氏の功績


株式会社ブリヂストンの名前の由来は創業者・石橋正二郎氏の名字
石(ストン)+橋(ブリッジ)、からきていることは有名だけど、
石橋財団という文化活動の方はそれほど知られていない。

さらに言えば、石橋財団の2つの活動のうち
ブリヂストン美術館(現在改修工事で休館中)の方は認識されていても、
もうひとつの活動、芸術関連の保護活動についてはまったく周知されていないと思う。


先日日本画の修復の講座に出席した。
その折りに聞いた話によると、実はそれらの費用をまかなったのは石橋財団だったという。

世に広くPRするわけでもなく、地道に文化を支えていらっしゃる。


日本画の修復の場合、絵の周りの表装の布地などの取り換え・修理も含み、
その生地を作る生産者の減少という問題がある。

布切れ1枚でも織物だけに高価なものになり、
絵の格や絵の雰囲気に合わせて選定される。

そうした修復を行う団体とのコネクションを大事にしながら
東京大学が収蔵する美術品の数々はこのたび日の目を見ることができた。


美しくよみがえった絵画を前に、石橋財団の幹部の方もご満悦の様子。

そしてこれも今回知ったのだけど、
同財団の特色は、作品を新たに生み出す活動を支えるのではなく、
既存の美術品を保護することにある。

2年に一度、「菊池ビエンナーレ」という公募展を開催している。

奇しくも丁度本日2017年12月16日が
「第7回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の〈今〉展」の初日となる。


こうした新規作品を公募して賞を授与して新しい才能を発掘・激励する、
といった育成活動を石橋財団は行わない。

すでに存在する世に認められた物を後世に継承することに
心血を注いでいる。
智美術館と石橋財団のそうした対極的な2方向からのアプローチはともに重要だけれど、
石橋財団の活動の方は、公募展のような告知もなく、それだけに周囲の認知度は低くなる。


特にブリヂストンという会社自体は美術関連の事業を生業にしているわけでなく、
やはりこれはひとえに、石橋正二郎氏の理念ゆえの活動だろう。


ちなみに、現在竹橋にある国立近代美術館は、石橋正二郎氏の寄贈に他ならない。

同美術館はもともと京橋にあったものの手狭になり、候補地を見つけていたものの難航。
そんな中、今の皇居そばの地に美術館用の建物を建て、国に寄贈したのが正二郎氏だった。
(以前近代美術館開館60周年の際にこの話が披露された。)

設計は谷口吉郎氏。
以前日経新聞「私の履歴書」で連載があった谷口吉生氏の父だ。


石橋財団が現在人知れず行っている文化活動に、改めて敬意を示したい。




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2017.12.16 Sat | Private| 0 track backs,
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