日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
セレンディピティと「風の影」
こういうのがいわゆるセレンディピティなのかな?
なんて思いながら1冊の本を読み始めた。


この本、「風の影」のことを目にしたのは、FB上だった。
自転車サイトCyclingnewsの元記者で現在Cyclingtipsで書いている
シェーン・ストークスが超おススメ!と書いていた。

ロードレースのジャーナリストが自転車とはまったく無関係な、
童話的、と評した本を強く推奨していることがまず驚きだった。

本のことも、作者カルロス・ルイス サフォンのことも知らなかったけど、
結構な程度に世間ずれした人(会話したことがある)が勧める本が、
どうやらピュアな内容らしい と知って、興味が沸いた。

とはいえ、近頃同時に3冊ほどをつまみ読みするような混乱した読書態度なものだから、
その本のこともいつしか記憶から消えていった。


そして先日、図書館であるフランス文学の本を探していた時のこと。
その本はいつも図書館に入って左手の上の棚に収まっていたのに、
その時は、なぜか棚から消えていた。

衝撃だった。
あんな本を読むもの好きは私しかいない、と確信していただけに。
(その本は訳本にして全10巻ほどで普通の人は1巻で断念すると言われている)。

呆然愕然。
家で貸し出し状況を確認すべきだった。
でも、いつもいつも必ずあそこにあったのに・・・

無駄足を嘆きつつ、ふと30㎝ほど視線を動かしたとき、
視界に入ったのがこの「風の影」だったのだ。

そうだ、これを借りよう!


思いがけず、探していたものとは違うものに出会い、
それが結果的に出会うべくして出会ったかのように価値のあるものだった、、、
そんな状況がいわゆるセレンディピティserendipityという単語の意味だったかと思う。


原題は「La Sombra del Viento」。
まさに「風の影」、である。


読み始めたら、一気に引き込まれた。
不思議な感覚。

スペイン人作家というとどこか荒っぽくて重い文章を想像する。
けれどこの作品は、そんなイメージからは程遠い
いや対局にあるような、軽やかさ。

一陣の風が吹き抜けていくような透明感のある文章に
心をわしづかみにされた。

まだ途中なのだけど、作者はきっと「本」や「読書」が大好きな人物なのだろう。
少年と本との関りが、ファンタジーとイマジネーションをまじえつつ、
キラキラ輝く言葉でつづられている。


ああ、この本は是非原文で読んでみたい。
訳も素敵なのだけど、
気取りのないスペイン語を最大限に輝かせる魔法を
この作家は持っている、そんな気がするのだ。



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2017.09.06 Wed | Private| 0 track backs,
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