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ラファエロxミケランジェロxダヴィンチ
三菱一号館美術館で、「レオナルド×ミケランジェロ展」が開催されている。

レオナルドとミケランジェロは確かにルネサンス期の2大巨匠だけど、
比較対照という意味ではラファエロxミケランジェロの方が
脳内で親しんできた。


例えばー
こちらは2013年のローマ旅行の折り、
サンタゴスティーノ教会で見てきた1枚。

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「預言者イザヤ」と題されたこのフレスコ画は、
ミケランジェロ作・・・ではなく、
意外にもラファエロの作品だ。

彼が得意とした優美で柔らかい人体表現はここでは封印され、
筋骨たくましい腕やふくらはぎが仰ぎ見る者の眼前に
迫ってくる。


この腕の描き方を見ると、思い出されるのは
フィレンツェにあるミケランジェロの「トンド・ドーニ」。

たくましいこの聖母のモデルは男性だった、というのは
よく聞く話。

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さらに「預言者イザヤ」の足は、
ローマのサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会で見た
やはりミケランジェロ作モーゼ像を彷彿させる。


P1170573.jpg 


ミケランジェロのモーゼは髭の表現や
手の静脈の表現が生き物のようで目を引くのだけど、
衣の間から覗いたふくらはぎは筋肉が隆起して、
ここだけ見ると、カエサル像、と言われても信じてしまいそう。


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・・といった具合に、ラファエロの「預言者イザヤ」には、
ミケランジェロを多分に意識していた痕跡が残っていて、
ごく自然に両者を比較する習性がついてきた。


2人の比較ということで言えば、
優美な女性像vs男子をもとに描いたごつい女性像
といった対比のみならず、さらに:

美男子vs顔にコンプレックス
女子にモテモテvs男子に食指

など、結構安直な構図として折りにつけ思い描いてきた。


でも、ダヴィンチは、といえばどこか斜め上の存在で、
他の同時期の芸術家たちと比較するという発想はなかった。


そもそもダヴィンチは純粋な画家というより
マルチプレーヤー。

新婚旅行で訪れたアンボワーズでダヴィンチ博物館の壁には、こんな貼り紙:
「IBMのコンピュータは、ダヴィンチの設計をもとにつくられました」
(カメラの前に立つのは若い頃の夫)

IMG_4134 (1) 


芸術のみならず、産業界、人文科学、様々なジャンルを自由に行き来した存在で
彫刻家のイメージの強いミケランジェロとの並列は
思い浮かばなかった。


だからこそ、三菱一号館で行われている「レオナルド×ミケランジェロ展」は
ありそうでなかった意外な展覧会だと言える。

中心に据えられたのは、素描disegnoということで、
なるほど、それなら両者の比較が浮き彫りになりそう。

はてさて、レオナルドvsラファエロは、
一体どんな様相を呈するのだろう。


ちなみにラファエロが描いた「アテナイの学堂」には、
上述の3人が登場する。(2013年のローマ旅行より)

P1180742_20170703080215941.jpg 


ヘラクレイトスとして描かれたミケランジェロ
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プラトンとして描かれたレオナルド・ダ・ヴィンチ
P1350262.jpg 


そしてラファエロが描かれている。
P1350267.jpg 



「レオナルド×ミケランジェロ展」の開催要領は以下。

ルネサンスという新しい芸術の潮流の高揚感を背景に
競い合った天才たち。

そんな彼らの情熱がこめられた描線は、
果たしてどのような軌跡を描いているのだろう。


***

会期:2017年6月17日(土)~9月24日(日)
開館時間:10:00~18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜休館(但し、祝日は開館)





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2017.07.03 Mon | Private| 0 track backs,
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