日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
キューガーデン展 / パナソニック汐留ミュージアム<感想>
キュー王立植物園に関連した展示:「イングリッシュ・ガーデン:英国に集う花々」展が
パナソニック汐留ミュージアムで開催中。


最初は植物園の展覧会?とピンとこなかったのだけれど、
そういえば以前鑑賞したバンクス展同様、植物画というジャンルの展示ととらえれば
わかりやすい。

ただ、今回の展示は、それにとどまらず、植物園の紹介・一部再現、
そこから発展したテキスタイルへの言及など多岐にわたる。

興味深かったのはダーウィンの書簡などという貴重なものがあったこと。
そこで改めて植物画の意義を再認識した。
単に芸術目的で描かれたわけでなく、科学的な研究として
花の絵は活用されたのだ、と。

なるほど、写真が発明され使用されるようになるのは印象派の時代、つまり19世紀後半だから
それまでは植物画は写真の代わりに研究利用されていたに違いなく、
精密に描くことが求められたと考えられる。


冒頭の展示にあった植物画は、なんと17世紀初期(1613年)のもの。
こんな昔から植物単体で描かれてきたのかとびっくり。

ボッティチェリがプリマヴェーラに200もの草花を描いた、とか
もっと遡って中世のタピスリーのミルフルール柄のような花のモチーフが使われてきたわけだから、
それを取り出して描いたとしても不思議はないのだけれど。

それでも、バロック時代、カラヴァッジョらがせっせと宗教画を描いていた時代に
平行してこういう絵も存在していたのか、と感慨深い。

一方で、ガリレオが活躍した時代でもあり、絵画の流れの一端でなく
人文科学の流れの中でこの絵を捕えたほうが、すとんと落ちるような感じで納得できる。


展示会場では、ガーデニングをしているらしい女性たちが、さかんに花の絵を前に
育て方や特色を述べている光景もあった。

南国系の花の絵などは今見ても珍しく、生命力を帯びた極彩色に魅せられた。
当時世界を知らない人たちにとってはなおのことだったに違いない。

世界中を飛び回ったマリアン・ノースの風景スケッチの中には
京都の知恩院のものまであって、一体どれだけ旅行したのだろうと驚愕。
1800年代のことだ。


キューガーデンには行ったハズなのに、かなり前のことだし、
どこか一部リッチモンドパークなどの光景とごっちゃになり
余り記憶が定かではなかったけれど、
会場をまわるうちに、徐々にキューガーデンのイメージがつかめてきた。


ただ鑑賞用に描かれたというより、その生命のなぞを解き明かそうとする意思が感じられる植物画。
単なる芸術作品以上のもの、つまり
描かれた後の結果として文字に置き換えられようとするエネルギーを秘めていて
なかなかパワーに満ちた空間なのだった。


***

展覧会名:「イングリッシュ・ガーデン:英国に集う花々」展
場所:パナソニック汐留ミュージアム
開館期間:2016年1月16日(土)~3月21日(月・祝) 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
休館日:毎週水曜日
入館料:一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円 中・高校生:500円 小学生以下:無料
詳細は下記:
http://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/16/160116/index.html
関連記事
2016.02.15 Mon | Art| 0 track backs,
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
"shw-greenwood" template design by Shallwill