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2015年展覧会 私のベストテン
2015年も各所の展覧会を愉しみました。印象に残ったベストテンを挙げてみます:

展覧会名/ 場所/ 会期


1. 藤田嗣治 《舞踏会の前》 修復完成披露展
東京藝術大学大学美術館 本館 展示室2
12月1日(火)- 12月6日(日) 

・絵画作品は修復後の《舞踏会の前》や若き日の自画像など、点数は少ないものの、修復の前・中の記録は興味深く、残された手帳や日記にプライベートが満載でフジタという人に寄り添える貴重な機会でした。挿入されたイラストに味があり、汐留ミュージアムのパスキン展を思い出しました。彼もまた手紙にイラストを描いていて、2人は情報伝達手段として、文字を補うべく絵を入れずにはいられなかったかのよう。



2. シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵ー美の競艶 浮世絵師が描いた江戸美人100選
上野の森美術館
11月20日 (金) 〜 2016年1月17日 (日)

・肉筆画の魅力に魅せられてしまいました。とくに西川祐信を再認識。ツゲの櫛とか綿密で、着物の柄、川の表現が秀逸。表情も人間的で、ルネサンス!と、思わず口にしてしまったほど。北斎の京伝賛遊女図、大原女図も速いタッチで見事。雪中常盤図の雪舞い散る表現うっとり。前期は開始早々に行ったおかげで割と空いていましたが、後期は結構な混雑。でも年内中に両方行けてよかったかな。



3. グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家 
国立西洋美術館
2015年3月3日 (火) ~ 5月31日 (日)

・バロックの絵を日本で見る機会はなかなかなくて、貴重な機会でした。とくに大型の教会画を日本で見られるとは。教会にいるかのような雰囲気の演出もよかったです。(ルドヴィーコ・カラッチはあったけど、アンニーバレがなかったのが唯一残念。)



4. プラド美術館展 ―スペイン宮廷 美への情熱

三菱一号館美術館
10月10日(土)~2016年1月31日(日)

・プラド美術館で恐らく見逃していたと思われる小作品の魅力を教えてもらいました。あれ以来、他の展覧会で見た小作品に、マルケース氏の言葉通りの魅力を感じるようになったものです。画家の心がこもった細密な筆の素晴らしさをこれからも折に触れて堪能したいと思います。



5. 日本の美・発見X 躍動と回帰 ―桃山の美術

出光美術館 
2015年8月8日(土)~10月12日(月・祝)

・主題が明快でした。室町時代との比較展示により桃山の特色がくっきりと浮かび上がり、負の要素に美を見出すおおらかさを実感できました。桃山時代の屏風に、まるで抽象画のような印象も。絵の見方を磨かせて頂きました。



6. てぶくろ|ろくぶて 
東京国立近代美術館
9月19日(土)~12月13日(日)

・人間の目で確認された事物、その存在を考える深淵な展示でした。メルロ=ポンティと同様の思想を持った芸術家の間で客観と主観の融合点、その裏側を追求する動きがあった、それゆえの作品なのだ、と知りました。その上で見る(裏返しの)<手ぶくろ>は今までとちょっと違って映りました。本展のテーマを知ってみれば、セザンヌと、線路の左右対称写真の同時展示の意味がわかり、これは目から鱗。



7. ヴァチカン教皇庁図書館展Ⅱ 書物がひらくルネサンス
印刷博物館
2015年4月25日(土)~2015年7月12日(日)

・ボッティチェリが生涯で2回だけ描いたという本の挿絵をファクシミリ版で見るという貴重な体験。単眼鏡で見てみれば、虫のような細かい人物像はおどろおどろしくて、凄惨な地獄図!サヴォナローラに感化される前の時代と思われ、当時から心の闇を抱えていたのでは?などと思った次第。そのほか、歴史の授業で習った遥か昔の伝説のような人たちの書が目の前にある不思議さといったら。残っていたピンホールからは、多色刷りの苦労が窺われました。中西保仁さんのレクチャーもためになりました。



8. 絵巻を愉たのしむ―《をくり》絵巻を中心に
三の丸尚蔵館  
7月4日(土)~8月30日(日)

・「をくり(小栗判官絵巻)」伝岩佐又兵衛の絵が見たくて何度も通いました。秀逸な生き生きした人物表現、わくわくしました。



9.ジョルジュ・ルオー展 ―内なる光を求めて
出光美術館 
10月24日(土)~12月20日(日)

・これまで見たルオーの絵の中でもとりわけ印象的でした。内省的な表情に、心が洗われる思い。本館はものすごい数のルオー・コレクションを所蔵しているようですね。キリストの絵の中にアンドレ・マルローから直接出光氏が手に入れたものがあるなんて。その隣にあった青いキリストがそこはかとなく好きです。



10.東山魁夷 わが愛しのコレクション展
三越 日本橋本店
1月26日(金)~1月19日(月)

・ホドラーを模写し、ルドン、ロダン、ルオー、梅原隆三郎などを所蔵していただけでなく、オリエント古代の品々の収集されていて、守備範囲が広くて驚きました。日本絵具の引き出しも壮観!感じた生命を鮮明に描くために単純化する、その過程を表したビデオ上映もよかったです。真摯な人、という印象でした。霧にかすむ絵がよかったです!



番外編
● 再オープンを楽しみにしています、ブリヂストン美術館。
● 今年のハイライトはやっぱり3度目のウフィツィ美術館。やっぱりわたしはルネサンスちょい前の絵に惹かれるようです。
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2015.12.31 Thu | Art| 0 track backs,
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