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アレッツォにあるヴァザーリの家 <部屋のエピソード>
 アブラハムの部屋に隠された秘密


先のイタリア旅行では、アレッツォに2泊し、
芸術家列伝の著書で知られるジョルジョ・ヴァザーリの家を訪れた。

この家がなかなか見どころ満載で個人的に気に入った。

ヴァザーリの著書は、全てが正確に記されているわけではないものの、
今でもルネサンス期のそうそうたる芸術家たちの歴史的手がかりとして貴重な役割を果たしている。

そんな彼は画家でもあった。
日本では西洋美術館に「ゲッセマネの祈り」が所蔵されているものの、
作品を日本で目にする機会は少ない。
フィレンツェあたりの教会では、結構何気に作品が掛かっていたりするのだけれど。

人物画は細長いわけではないものの、どことなく奇妙さが漂いマニエリスムの作風で、
個人的に好み、、とは言い難い。
やはり著者としての彼の方がすごい、という感じ。


そんな彼が住んだ家は、フィレンツェから列車で1時間ほどのアレッツォにある。

彼の思いがいっぱいつまった、愛情に溢れた館だ。
自身で描いた絵画のみならず、他の作家たちの絵や彫刻で埋め尽くされている。


そんな中、アブラハムの部屋は、婚姻の部屋と言う位置づけで、
多産を祈る寓意に満ちている。


部屋の着工は1549年5月9日。
天井画は自分で手掛け、古典的手法テンペラを使用して描かれた。

そのために今も発色がよく、また、明色を使いつつ
遠近を際立たせている。

テーマは旧約聖書からで、中央円形部分は、アブラハムの子供を神が祝福している図。


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四方の女性もはやり旧約聖書から取られ、
家族への幸福祈願を意味しているという。


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当時彼は独身だったが、将来の結婚に対する夢と子孫・家族の繁栄を祈願した。

2年後、彼は14歳の(!)ニッコローザ・バッチと結婚。
アレッツォの裕福な家柄の子女だそう。


しかし残念ながら、2人が子供を授かることはなかった。
彼の子孫繁栄の想いだけが、今もこうして残っている。


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2015.11.30 Mon | Travel-Italy| 0 track backs,
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