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華道家 假屋崎省吾の世界 @目黒雅叙園 <感想>
今年も、華道家 假屋崎省吾先生により
目黒雅叙園の歴史的木造建築・百段階段が
咲き乱れる花たちで豪華絢爛に埋め尽くされた。


今年の企画は、琳派400年を意識して、
氏がデザインする純金の「黄金の牡丹」(期間限定10/1~10/18まで)が置かれるなど、
金の彩が添えられた。


百段階段を上り、7つの部屋に足を踏み入れつつ、
それぞれ表情の違う美の世界を堪能。

見終えた感想を一言で表せば、”壮大な宇宙を感じる内容”だった。


例えばこの清水の部屋。

** 写真は先行内覧会の機に、許可を得た上で、撮影しています。**

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部屋全体が小宇宙。
苔和道の方による演出とあいまって、琳派の絵そのもののような自然観が表されている。

先生プロデュースによるお着物、部屋の扇絵、障子すべてを巻き込んで
有機的なリズムを奏でている。


そしてこれが、かの「黄金の牡丹」。

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とはいえ、古風な和の表現だけではない。
ポンピドー美術館に置かれていても違和感がないような、ジョアン・ミロを彷彿させる作品も。

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十畝の間にある花鳥風月の天井画と、前衛芸術の木々が戯れる斬新さ。
背景に置かれた着物がどれも素敵で、とくに美しいローズ色のものは濃淡の組み合わせが絶妙だった。


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洋と和の競演は、清方の間もしかり。
松岡映丘の門下生による天井画の下には、和洋両刀のような軽やかな世界が。

足元には、華やかな脇役として鎮座するバラたち。そしてー

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花器をよく見れば、色合いや突起のあるかたちがなんともユニーク。
全体像だけでなく細部まで、想像力が翼を広げたような趣。

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そして同じ部屋にあるこの小さく仕切られた空間は、地味ながら大いなる安らぎを漂わせている。
こじんまりしているけれど、なんとも収まりのいい、居心地のいい世界。

しかもー

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左手の掛け軸は、女性が生け花をしている図柄。
お着物の黄色とコーディネートしているだけでなく、

まるで手前の生花すら、絵の中で生けられているかのような錯覚を覚える。
見事なシンクロぶりで、ひそかな私のお気に入り。

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艶やかな漁樵(ぎょしょう)の間の一体感は、言うまでもなく。
物おじせず大胆な花の造形は、不思議と浮彫、大和絵の大作を邪魔していない。

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こちらは障子の桟が規則正しいリズムを刻む傍らで、
花たちは、色とりどりの変音を奏でている。
リズム感溢れる合唱といった風情。

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冒頭述べた宇宙観というのは、見た目の話だけではない。
生物・自然たちが共存するように、われわれ人間社会における様々な共存関係も
今回の空間芸術において処々感じられた。

たとえば京成バラ園からの供給があり、苔和道の芸術とのコラボがあった。

下の写真にある光の変化により色彩が刻々と変わる絵画は、
作品を手掛けた先生とアール・クラージュの技術との連携により実現した。

特殊な顔料およびライティングにより、こういった色の変化が可能になるようだ。

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一流の先生が使う花・装飾だから、供給側も最高級のもので挑まねばならない。
そんな緊張感が生まれ、人々は切磋琢磨し、高みが極められる。

こうした人々の有機的なつながりも、じわじわと感じたのだった。


最後は假屋崎省吾先生ご登場。
エネルギッシュな作品たちにまけないエネルギー溢れるお姿を拝見した。

美輪明宏さんから伝授された、身体の内側からエネルギーを取り込む手法で
日々頑張っておられるとのこと。

ここまでの大作を実現するには、
いわゆる自己免疫力のようなかたちでエネルギーを自ら生成することが重要なのだ。

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そして琳派を意識した先生のご衣装も金でした。

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人々のつながり、生物も含めた自然全体の有機的な相互作用・融和性、
全てを包み込む壮大な世界を感じるすそ野の広い展示でした。

*****
華道家 假屋崎省吾の世界|目黒雅叙園
https://www.megurogajoen.co.jp/event/kariyazaki/
2015年10月1日(木)~10月25日(日)

開催時間 : 通常見学〈会期中全日〉  10:00~17:00(最終入館16:30)
トワイライト見学〈金・土・日・祝 限定〉  17:00~19:00(最終入館18:30)

会   場 : 東京都指定有形文化財「百段階段」 

入場料 : 通常見学 当日券 ¥1,000
前売券 ¥800 (園内特別前売 ¥600 ※9月30日まで)
トワイライト見学 当日券のみ ¥1,500
学生 ¥500  ※要学生証呈示
小学生以下 無料
※トワイライト見学は招待券、優待券、前売券でのご入場はご遠慮ください。

※ 展覧会会場での撮影はご遠慮ください。(トワイライト見学を除く・フラッシュ撮影不可)
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2015.10.02 Fri | Art| 0 track backs,
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