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「サラバ」By 西加奈子 <読後感>
ストーリー性抜群で、ジョン・アーヴィングを思い起こした。
「The Cider House Rules」の根底を流れる見えない哀しさや淡いせつなさをにじませ、
「The Hotel New Hampshire 」の群像劇スタイルをまじえつつ、
「The World According to Garp」にみられる心理小説要素も加わっている。

実際物語の中でアーヴィングに触れるシーンが登場するので
筆者の方は、それらの影響を受けているのだろう。


様々な人たちが個性的な生き方をして、
ときに触れ合い、ときに反発しあい、社会的規範と相いれず悩み、挫折し、それでも歩んでいく。


フランス人作家、ディディエ・ヴァンコヴラール(Didier Van Cauwelaert)の小説のような創造性も魅力的。
想像の翼を思いっきり羽ばたかせ、のびのびと筆を運んでいる様子が感じられる。


人生には当たり前のようにアップダウンがあるけれど、
最高潮に盛り上がるポイントは人それぞれであり、
運を若いころに使い切ってしまうのか、しり上がりの人生を歩むのか、
前者の場合、どう軌道修正していけばいいのか。


そしてタイトルになっている「サラバ」。
思い切りがよい、スパっとした感じのあるこの言葉が
過去や迷いを断絶しつつも、未来への懸け橋として爽やかな余韻を残す。






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2015.09.25 Fri | Books| 0 track backs,
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