日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
侮れない放送大学
数か月前のことだけど、TV番組表を見ていて、「美術品修復」というテーマが目に入った。
あら、面白そう、そう思ってチャンネルを確認したら、放送大学だった。

見てみると、トーハクにおける修復や保存方法の紹介で、通向きの内容で、感心した。
確かにマイナーな話で、派手さは皆無。
視聴率の数字のみに執着しているわけではないので、こういう番組が制作できるのだろう。


そして祝日の今日、起きて番組表を見ていたら、
<美学・芸術学研究 第14回「ディドロの美術批評~シャルダンについて~」>なんていう
スリリングなタイトルが目に飛び込んだ。
またしても放送大学だ。

7時から始まっており、途中からだったのだけど、シャルダンの静物画の深い読み取り方が披露され、
圧巻だった。

実直そうな先生が(TVカメラの前でなく、普通に大学の講義に登場しても、
派手なパフォーマンスなどとは無縁で、ひたすら表情を変えずに話し続けるタイプの先生)
シャルダンの魅力を最大限に引き出していた。

ただの静物画、派手さがなくおとなしくて、淡い光が印象的で、
でもそれ以上何を感じればいいのだろう?というシャルダンの絵に
大きな一石を投じていた。

キーワードは、”位置における他の再現”。

光の照応によってひとつのものが他のものを照らしだし、
物質たちが互いの存在を、そして世界観までもを映し出す。

また、使い込まれた品々により神秘的とすらいえる日常品の姿を目の前につきつけ、
その使用者の人生までもを映し出す。

シャルダンの絵の本質を見抜いたディドロは、世界初、と言っても過言でない
純粋な美術批評家である・・


とまあそんな具合。
(以前三菱一号館でシャルダン展が開催されたとき、シャルダンの絵のすばらしさについては
さんざんあれこれ言われていた気がするけれど、自分自身、真髄はわかっていなかった。)

放送大学、たしかに地味。
大学の講義でこれだったら、とくにそれが午後の1コマだったら、確実に睡眠の世界にいざなわれそう。
でも、派手さはなくとも、実質的な、実のある話を聞くことができる。
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2015.09.22 Tue | Art| 0 track backs,
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