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村野藤吾展関連イベント: 村野氏設計の建物内でコンサート
目黒区美術館で開催されていた「村野藤吾の建築-模型が語る豊饒な世界」展の
クロージングイベントが本日行われた。

場所は美術館でなく、目黒区総合庁舎。
村野氏の手による代表的な建造物だ。

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市庁舎ロビーに椅子が用意され、即席のコンサート会場に。
登場したのは3人のサクソフォン奏者たち。
演奏開始直後、音響のよさに驚いた。

上向きの管から流れ出る音色がほんわりと立ち昇り、
それは反響し過ぎることなく、やさしい余韻が次の音を邪魔しない程度に漂っては消える。

素人の耳にすら、過不足ない音の幅が心地よく感じられるほど。
当然奏者の方たちも、「教会や下手なコンサートホールよりいい」との評価を下していた。

村野さん、設計時にあたかも音響効果こまで計算したわけではあるまい。
だってここは、主にVIPを通すためのロビーとしてつくられた部分なのだから。


今回のサクソフォン奏者3人の方たちは、みな凄腕だった。

鈴木広志さん: あまちゃんで人気を博した大友良英スペシャルビッグバンドのメンバーで、
“ソプラノからバリトンまでのすべてのサックス、フルート、クラリネット、バスクラリネット、リコーダーを自由に操る”
というマルチな演奏家。

東涼太さん: 鈴木さん同様あまちゃんで人気を博した大友良英スペシャルビッグバンドのメンバーで
芸大を首席卒業し(管打楽器)、数々のコンサートをこなす実力者。

上運天淳市さん: まるで芸名みたいだけど、沖縄の方。
今回のコンサートでもオリジナル曲を披露し、あがた森魚さんなど数々のアーティストとの競演歴をもつ。


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曲目は、オリジナル曲の他に、バッハのGavotte BWV1006なども。

息の合った素晴らしい演奏。
とくに3人が3方に散らばり、それぞれの旋律を奏でたとき、まるでステレオ効果のようになり、
我々のいる中央に音が渦巻きのように集まっては散っていく。
軽やかで厚みのあるなんとも言えない旋律が胸を打った。

途中、建築家、若山さんのミニレクチャーもあり、誰しも大満足の文化イベントとなった。

(写真は演奏前。)

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このビルは、もともと千代田生命ビルとして建てられ、その後区役所が買い取った。

村野さんの腕がいたるところに発揮されている。
中でも有名な螺旋階段は、複雑ながら優美な曲線が怪しげな魅力を発している。


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先日目黒区美術館で展示と講演会を愉しんだ。
その際うかがったとおり、こちらの螺旋階段は、よく見ると最下段が地面についていない。
吊りさげ式で、浮いているのだ。


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階段の裏側も美しい。
階段が上下についているかのよう。

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吊るための柱は照明器具と一体化することで、無機質化することを未然に防いでいる。
手すりは一筋縄ではいかない優しい曲線を描きつつ、

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別の角度から見ると、産業的というか、エスカレーターのようなメタリックな感じも漂って、
歩くにつれ、さまざまに表情を変える七変化の階段なのだった。

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目黒区美術館、パーシモンホール、目黒区役所、
みなさんの尽力に感謝。

奏者の方たちの今後のご活躍を祈りつつ。
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2015.09.13 Sun | Art| 0 track backs,
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