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美術館の収蔵庫を覗く
近頃のアートインプレ」で触れた東京近代美術館のNo Museum, No Life?展では、洒落た演出が各所に見られた。

(今回の企画展はいくつかの撮影禁止作品を除き、基本写真OK)

なかでも、今回の展示に協力した国立系の美術館における
保管庫の様子が目を引いた。


以前群馬にあるハラ ミュージアム アークの収蔵庫は実際中に行ったことがある。
同ミュージアム主催のツアーに参加した際に。
大判の絵ばかりで、壮観だった。
草間彌生さんのインスタレーションなどは、保管状態というより
倉庫にそのまま”展示”している格好だった。


さて近美に登場した保管庫インスタレーションはというと、
本展美術辞書のS=Storageの項目で披露されている。


例えばこちらは京都国立近代美術館の収蔵庫の様子。
内部の様子を撮影した大判(実物大程度)の写真の上に
実際その場所に置かれていた藤田嗣治の 「タピスリーの裸婦」の実物を配置するというもの。

保管庫のラックの奥行きが見え、一定間隔でずらりと絵画が保存されている様子がわかる。

写真 1 (77)


こちらは 東京国立近代美術館の収蔵庫。
なかなか整然としている。

右上に藤田嗣治 「パリ風景」 の実物。
藤田が藤田らしくなる前の初期の作品だ。
時折常設展に展示されており、寒々したパリの姿を映し出している。

写真 2 (73)


こちらは国立西洋美術館の収蔵庫。
藤田嗣治 「裸婦」が右下に。
どの保管庫も、白いラックタイプで構成されている。

写真 3 (49)


嬉しかったのは国立国際美術館も本展とコラボしている展。
藤田嗣治の 「横たわる裸婦 (夢)」 は初見だった。(左)

作品点数が近美や西美より少ないせいか、比較的ゆったり保管されているようにも見受けられる。

写真 4 (18)


こちらは「O」=originalの項目におけるマルセル・デュシャンの作品たち。
一目で彼の作とわかるのは、トイレの便器があるせいだ。

トイレの便器もそれらしく見せれば美術品になってしまう、
というアイロニーの効いたデュシャンの十八番的作品が見える。

写真 1 (78)


B=Beholder 【観者】の項目には、鑑賞者の視線を意識した作品群。

スン・ユエン&ポン・ユー の「I am here」(国立国際美術館蔵)
は、壁の中を除いているポーズ。
壁の向こう側に回ると、穴が開いていて、この人物と視線が合う仕掛け。

写真 2 (74)


それにしてもリアルだった。
手の甲には毛が生えていて、皮膚は人間のような柔らかさを漂わせている。

写真 3 (50)


近美で見慣れた作品、あるいは初見のもの。
一同に裸体図が会した部屋は壮観也。

それでもやはり、萬鉄五郎の卒業作品「裸体美」の存在感は圧巻。(右上)
上から目線の女性(後に妻となった)が、ゴッホのアイリスみたいな草地に横たわり
われわれを睥睨している。

写真 4 (19)


No Museum, No Life?―これからの美術館事典 国立美術館コレクションによる展覧会は、9月13日まで。
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2015.09.11 Fri | Art| 0 track backs,
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