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「印象派のミューズ:ルロル姉妹と芸術家たちの光と影」 白水社
何かの書評で興味を持ち、読み始めた。
「印象派のミューズ:ルロル姉妹と芸術家たちの光と影」。


手にする前、副題をちゃんと見なかったため、
過去の印象派の画家たちのミューズとうたわれたモデルたちが
次々登場するのかと思った。

実際は、ルノワールが描いた
「ピアノに向かうイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロル」という絵に登場する
2人の姉妹の数奇な運命をたどる趣向だった。

とはいえお金持ちの子女2人を中心に展開するわけでなく、
画家でもあり、画家の支援家でもあった姉妹の父の周囲に集まった人々を
ひとりずつ掘り下げていくため、
さまざまな芸術家たちの個性や当時の様子が浮き彫りになり、
なかなか興味深い。


ルロル家にはドビゥッシー、ドガ、カリエールなど一流の芸術家たちが集ったそうで、
芸術家たちの交流というのがかなり頻繁に行われていた事実を改めて認識する。

居間でピアノを弾くドビュッシー、それを聞くショーソンやルロル家の人々、画家たちが集ったサロンの雰囲気は
どんなに華やかだったことか。
マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」にも登場する内輪のサロン。
縦横無尽な芸術の交差点があった当時の様子がしのばれる。

ドビュッシーが個人宅でカジュアルに演奏する・・・なんて贅沢な話だろう。


印象派、とか象徴主義、とかいったカテゴリーが明確だった時代だからこそ
互いに同じ”流派”の芸術家同士、その傾向に関する主張交換を必要としたのだろう。
いまではxx派といったスタイルは多様化してしまい、
個人的な制作スタイルになってしまった。

大物芸術家たちが個人宅、サロン、カフェなどに集い、議論した光景は、
思い描くだけでも華麗でうっとりしてしまう。
たいそう熱気に包まれていたことだろう。


まだ読み始めたばかりだけれど、すでに興味津々。
どんな運命にもてあそばれることになるのだろう、あの姉妹は。








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2015.09.06 Sun | Books| 0 track backs,
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