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迎賓館赤坂離宮 参観 <感想>
先日、迎賓館赤坂離宮を参観してきた。
期間限定公開・事前申込制なので、今回が初訪問

(内部写真撮影はNGだけれど、外の写真はOK。)


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中に入ると、天皇家の菊のご紋も見受けられた。
それもそのはず、この場所がもともと1909年に東宮御所として建てられた。

様式はネオ・バロック。
ただし住み心地と華美な見た目は両立しなかったようで、大正天皇自身、こちらを使用することはほとんどなく、
昭和に入ってからは、離宮としての位置づけとなり赤坂離の名称に変更。
それでも使用はめっきり減り、ついに転用が決まる。

その後国の関係機関が入るなどしていたが、もとの迎賓館、つまり先日見てきた現東京都庭園美術館が手狭になり、
赤坂離宮が迎賓館として使われることに。

改修を経て、完成は1974年。


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足を踏み入れてまず驚いたのは、大胆な和洋折衷ぶり。
先日見た建築家村野藤吾展で浮き彫りにされていた”様式の混在”を思い出した。


もっともこちらの建築は、ジョサイア・ コンドルの弟子、片山東熊の設計だ。

内部だけでなく、外観にもそんな和洋折衷ぶりがうかがわれる。
屋根には甲冑が鎮座。
意外な景色だ。


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かと思えば、並列する屋根の飾りにはフランス的なこんな球形の彫刻。
完全な様式、と思われる飾りの中には、三つ葉葵の紋。

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さて入口へ、と思ってこちらでも驚きが。
まるでアールヌーヴォー。

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中は白亜のつくりで、廊下は、真っ白な印象。
以下、気づかされた特色。

● 内部は主にフランス18世紀の様式で、フランス直輸入のものも多々。

● 鎧図が再び登場。「朝日の間」の浮彫は、戦艦(海軍を表す)、獅子の頭・オリーブ・鎧(陸軍を表す)で
  飾られていた。国威発揚の部屋なのだとか。

● 「花鳥の間」にあるのは、超絶技巧展でも話題だった濤川惣助作の七宝30点。見事だ。
  ぼかしを演出するため、無線七宝の技が使われている。図柄は花鳥図。

● 上記の花鳥図の下絵は渡辺省亭が描いた。下絵と七宝を並べた図録がトーハクの協力で制作され、販売中。

● 海外の国賓が泊まる部屋は非公開。シークレットで、建物のどこにあるのか一切わからない。
  ただし、随行員の部屋だけは外から見られるようになっている。随行員の部屋でも十分豪華。
  国賓の部屋はさぞ豪華だろう。

● 絢爛豪華なシャンデリアは、ひとつ800kg~1トンの重量。
  内部にスピーカーが埋め込まれたものもあり、そちらは重さ1トンだ。
  耐震対策はばっちりで、関東大震災や東日本大震災でもびくともしなかった。

● 大ホールには2枚の油絵。小磯良平が音楽と絵画をテーマに描いた。

● 暖炉の衝立は、酒井抱一の絵の模写。

● 羽衣の間の天井画はフランスに発注し、羽衣のイメージを理解していなかったか、図中にはごろもは描かれていない。


庭に面した側には、古代を漂わせる列柱。

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噴水には、よく見ると・・

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亀!

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内部を見るにつけ、庭園美術館(旧朝香邸)とつい比べてしまう。

旧朝香邸は、アールデコに轢かれた朝香宮様が、フランス様式一辺倒で建てられている。
(床の間的なスペースなどほんの一部で見受けられるけれど。)
アンリ・ラパンというフランス人建築家の手によるからだ。

一方、こちらはフランス様式の中に和が大胆に盛り込まれている。
日本人建築家ならではの和洋折衷が面白い。


全体的な外観、どこかパリのシャイヨ宮を彷彿させる。


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2015.08.26 Wed | 国内探索| 0 track backs,
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