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アール・ヌーヴォーのガラス展 @パナソニック 汐留ミュージアム 
パナソニック 汐留ミュージアムで開催中の「 アール・ヌーヴォーのガラス展」に行ってきた。
まずはギャラリートークに参加し、お話を伺った。

それによると、今回の展示はデュッセルドルフ美術館にあるゲルダ・ケプフ夫人のコレクションをもとに構成され、
本邦初公開なのだそう。

祖父が創業したゼラチンフィルムのメーカーで代表を務めた経験をもつ夫人は
技術的見地からガラスに興味をもち、コレクションが始まった。
科学的素養があるせいもあり、個人の収集にしては、幅広いのが特色だ。

またデュッセルドルフ美術館に寄贈した際、これらの作品に関し調査を行い
本にまとめること、という条件を出したという。
(なかなかドイツ人らしい堅実さだ。)

パリ派とナンシー派に分けて展示されており、ナンシー派よりも前者に全面的な
ジャポニズムの影響が見られる、そんなお話もあった。

日本美術が紹介された万博がパリで開催されたことを考えると、なるほど、とも思う。


会場内には北斎やその弟子の浮世絵の構図をそのままパクリで描いた鯉の作品などもあり、
浮世絵を真似たのは、ゴッホだけではなかった。
脇に原画のパネルもあり、比較することができる。


エミール・ガレやドーム兄弟のほか、主だった作家の紹介パネルもある。
また、前回の「ルオーとフォーヴの陶磁器」に引き続き、
パナソニック社自慢のプロジェクションで《象の頭の飾付花器》を楽しく見せる手法も登場する。


メインビジュアルになっている《花器(ブドウとカタツムリ)》は、
実際見ると、その重層性に圧倒される。
ブドウの表現などは抽象画のよう。
ややもすると重い作品を、2匹のカタツムリが軽妙に見せている。


無色ガラスに色付きの三層のガラスをかぶせた
模様を彫ることで、下のガラス層の色を見せる作品などは、
すごい技術だなぁと感服すると同時に、
色の変化が複雑で、うっとり。


光の反射具合で色が変幻する作品は、美術館の十八番ともいえる照明技術を駆使して
その色合いの妙を見せている。


花シリーズやベネチアングラス風の透明感あるものなど、
目に心地よいものが多々ある中で、
いたって地味なのだけど、《花器(プリュヴィオーズ)》という作品の世界観が気に入った。
曇りガラスを背景とした黒い森に、横殴りの雨が斜めに叩きつける。
ガラスの器に風景、というのが珍しい上、寒々しい光景を閉じ込めた独特の雰囲気がある。

タイトルのプリュヴィオーズのローマ字表記を見たらPluviôse。
フランス語の雨「Pluie」と同じ語源の単語に違いなく、
雨のニュアンスをもつこの言葉の雰囲気が妙に作品にマッチしている。

帰宅後調べたら、 プリュヴィオーズ(Pluviôse)はフランスの旧暦で「雨月」のことだそう。
抒情性がいっそう増し、ふたたび感激してしまった。


*****


場所: パナソニック 汐留ミュージアム
展覧会名: アール・ヌーヴォーのガラス展
開館期間: 2015年7月4日(土)~9月6日(日)
午前10時より午後6時まで(入館は午後5時30分まで)
休館日: 毎週水曜日、8月10日(月)~14日(金)
入館料: 一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円 中・高校生:500円 小学生以下:無料
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2015.08.09 Sun | Art| 0 track backs,
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