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ジョサイア・コンドルと在りし日の東京国立博物館 
東京国立博物館本館の建物は、岩崎邸や三菱一号館ビル同様、
明治時代にジョサイア・コンドルによって建てられた。

トーハクHPによると、竣工は明治14年(1881)という。
そして竣工直後に、第2回内国勧業博覧会(1881年)が、この本館を一部使用するかたちで開催された。

コンドル来日4年目の大作だ。
ただ、まだ日本の風土に合う様式を確立していなかったらしく、
本人は、どことなく中途半端なつくりを、後で後悔した、とも聞く。


今年5月に訪れた東京国立博物館、ことトーハク常設展には、明治22年(1889年)の上野公園全景図が出ていた。
つまりこの図のトーハク本館は、コンドルが設計したものというわけだ。


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アップ。在りし日の(明治14年~大正時代12年の)トーハク本館の姿。
小ぶりのドームが2つ載っている。

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残念ながらコンドル作の本館は、大正12年(1923)の関東大震災で損壊。
解体を余儀なくされた。

本当に罪作りな大震災。
三渓園や小石川後楽園に行くと、関東大震災により焼失、などといった建物や美術作品が多々あって、
解説を読むたびに無念な気持ちになる。


現在の本館は、コンペで決定した渡辺仁氏作らしいが、実際の設計を担当したのは
宮内庁匠寮なのだそう。
庭園美術館の内装でも大活躍していたあの匠寮だ。


トーハクの写真パネルで姿を追うと:

本館・コンドルの建物:

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大震災:
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本館・渡辺仁氏のデザイン:
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コンドルといえば、やはり日本における絵画の師、河鍋暁斎が浮かぶ。
2人は第2回勧業博物館で出会った。


丁度このときの常設展では偶然河鍋暁斎の「花鳥」画の展示もあった。

歌川国芳に弟子入りしていた暁斎の多彩さがうかがわれる作品。
こんな絵も描いていたのか、と思いつつ近づくとー


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キジの身体には蛇が巻き付いている。
やはりそこは暁斎。
単に美しい一辺倒ではなく、自然の残酷さが華やかな画面の中でいっそう冷たく浮かび上がる。

それにしても不思議。
画風が江戸狩野というより京狩野的。
関東の人なのに、テーストが関西風。


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「花鳥」河鍋暁斎 1881年
国内勧業博覧会出品作。


ついでに、上述の上野公園の図と同じ部屋にこんなものもあった。

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「旧江戸城写真帖」 1871年
蜷川式胤 編集・横山松三郎 撮影・高橋由一 着色


明治5年の江戸城火災の記録写真。
着色者として高橋由一の名。
画家が写真の色付けまでしたことにやや驚く。
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2015.08.04 Tue | Art| 0 track backs,
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