日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
明治国家と法制官僚 ―井上毅歿後120年記念 @國學院大學博物館
伊藤博文に重用され、大日本帝国憲法の制定に関わった井上毅という官僚の歿後120年記念の展示が
國學院大學博物館で開催されている。

名前は知っていたものの、毅=「こわし」と正式な名前を認識していたかどうか心もとない。
たけし、と読んでいた気がする。

彼に関する文書は、自身の号をもとにつけられた「梧陰(ごいん)文庫」に収められている。

このような小引き出しの中に。

*写真は内覧会の折りに主催者の許可を得て撮影しています。

写真 1 (64)


これのお蔭で、資料は散逸を免れた。
こんなこじんまりした小引き出しだけど、侮れない。

國學院大學が最終的には寄贈を受けたもの。


伊藤博文じきじきの手紙もあり、明治に入っても巻物仕立てだったようだ。
実務と風流の双方が同時に求められた時代。

写真 3 (40)


書簡からは、リベラルな雰囲気が伝わるといい、ガツンと上から押さえつけるのではなく
能力をのばすのがうまい人だったそう。
井上が短気を起こしても、うまくとりなすなどしている。
岩倉具視との相違点だ。


また、皇室典範を担当していたこともあり、憲法草案のメンバーに入れず、
憤慨した井上は最初の草案をコテンパンに批判し、メンバー入りを直訴した。

以下の乙案は最初の草案で、甲案が正式なバージョンとなる。

写真 2 (62)


ただ正直、国家の要となる憲法が、こんな一般市民の作文推敲みたいなかたちで
つくられたのかと思うと、なんだかびっくりだ。

案とはいえ、もっといかめしいかたち - 原稿用紙でなく、手書きでなく -で作成される
イメージがあった。

これで、憲法?という意外性。
ただ、このようなカジュアルに見える文字列の中には諸外国から集めた情報に基づく創意工夫などが含まれ、
普通すぎる外観とはうらはらに、叡智の結集といえるのだろう。


これら資料はもし重要文化財にでもなってしまったら、
簡単に展示はできなくなる。
会場の温度調整など制約がどっと増えるので。
自由にこうして見られるのも、今のうちかもしれない。


http://www.kokugakuin.ac.jp/event/manabi15_2.html

明治国家と法制官僚 ―井上毅歿後120年記念―國學院大學学びへの誘い―(渋谷)
【開催期間】 平成27年7月11日(土)~8月7日(金)
【開館時間】 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
※7月27日(月)と8月3日(月)は休館
【会場】 國學院大學博物館 (渋谷区東四丁目10-28)
【主催】 國學院大學
【後援】 渋谷区、毎日新聞社、國學院大學若木育成会、一般財団法人國學院大學院友会
入場料 無料
関連記事
2015.07.13 Mon | Art| 0 track backs,
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
"shw-greenwood" template design by Shallwill