日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
霧のウンブリア
イタリア、ウンブリア地方オルヴィエート。
朝7時。

窓の外には、重たげな霧が立ち込めていた。
じきにあとかたもなくなるのだろう、とタカをくくっていたら、
山のすそ野をかすめつつ、ゆらゆらと流れ、あっちへ行ったり、こっちへ来たりしながら、
8時になっても消えることはなかった。

ああ、これか。
須賀敦子さんが書いていたウンブリア地方の霧。

P6170175.jpg


水蒸気というより固体に近いほどそれは分厚く、質量感と存在感があった。


存在感、それを確固たるものにするかのように、外に出ると、
髪の毛や皮膚に、小雨時のようなべっとりとした湿潤な空気がまとわりついた。

ふりかえると、霧の流れるむこうに石造りの小屋がぽつんと残されている。
自分が死んだとき、こんな風景のなかにひとり立っているかもしれない。
ふと、そんな気がした。



須賀さんが描いた霧は、日本で想像するようなあっさりした煙のようなそれではなかった。
このどっしりとした生き物のような白い塊に違いなかった。





*写真) 旅行前日に買ったオリンパスのカメラ。パノラマ機能を初めて使ってみた。
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2015.06.26 Fri | Travel-Italy| 0 track backs,
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