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セッライオ「奉納祭壇画:聖三位一体、聖母マリア、聖ヨハネと寄進者 」の中のガイコツ
国立東京近代美術館の年間パスを所持しているので、国立西洋美術館の常設展は1年間無料だ。
(同じ国立としてコラボしているらしい。)
それをいいことに、少しでも時間が空くと、好きな絵を数枚だけ見に行ったりする。

見れば見るほど絵はさまざまなことに気づかせてくれる。

たとえば ヤコポ・デル・セッライオのこの作品。

神、精霊、キリストが一体となった三位一体の部分がやや重苦しいというか、
ムササビみたいに絵に張り付いていて、スタイリッシュではないものの
その分インパクトはある。

いつもこの三位一体のムササビばかりに目が行っていたのだけれど、
ある日ふと、ガイコツの存在に気がついた。

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IMG_5059b.jpg


なぜこんな構成に?
タイトルにヒントがあった

奉納祭壇画・寄進者・・・

寄進者の妻と娘が亡くなり、鎮魂のために描かせ、それを奉納した。
画中には、亡くなった2人のみならず、イタリアの宗教画でこれまで何度も目にしてきたように、
寄進者(と息子)の姿も描かれている。
悲痛なおももちで。

IMG_5059a.jpg


この絵は細部が面白い、と気が付いた。

三位一体の円の下の半円に平行して遠景が描き込まれ、
額縁の上部半円と合わせて外側にもうひとつ円がくるコンポジション。

Peint3.jpg


その円の外側(絵の下側)、つまり一面が凹面になった四角形の中に
寄進者と家族や聖ヨハネがおり、
解説によると、さらに聖書の8つの場面が散りばめられている。


背景の人物画は、かなり小さいので目を凝らしてみる。

もしかしたらこれはイサクの犠牲?
(下の写真の左・全体図でいうとキリストの向かって左に小さく描き込まれている)

父アブラハムが信仰のために息子イサクをその手であやめようとしたそのとき
天使が待ったをかける、というあの旧約聖書の一場面ではないか?

IMG_5600.jpg


それからこの中央の遠景。
左手に見えるのはキリストとマグラダのマリアの対面シーンのよう。
でも、それにしてはキリストがよれよれなのが気になる。

IMG_5607.jpg


どのディテールが、どの物語に相当するか見極めようと絵の前でしばし躍起になってしまった。
でも回答がない。
8つの場面のヒントがほしいです、西洋美術館さん!



西洋美術館、常設展は、たったの430円。
しかも毎月第2、第4土曜日、文化の日(11月3日)は無料。
名画の宝庫は惜しげもなく庶民に開放されている。
http://www.nmwa.go.jp/jp/visit/index.html
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2015.06.13 Sat | Art| 0 track backs,
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