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渋谷駅にある岡本太郎作 『明日の神話』 に隠されたこんな実話
渋谷駅、井の頭線中央改札へとつながる広い通路に、炎を背負ったガイコツが躍る
強烈な印象の壁画がある。(5.5x30m)


写真 4 (11)


岡本太郎が制作した『明日の神話』と題される作品で、
もともとメキシコに新装予定のホテル用に制作されたものだ。


先日、
石原慎太郎氏と明治大学 明治学院大学教授山下裕二先生のTV対談番組で
この話が登場したのだが、
本壁画がこの場に至るまでに、神話を上回る驚きの実話のドラマがあったことを知る。


岡本氏は制作のため、幾度となく現地に足を運んで仕上げたものの、
ホテルは財政悪化のためオープンすることなく建設は中止。
作品もいつの間にか消えてしまった。


岡本氏亡きあと、妻の敏子氏は、この絵を見つけ出すことが最後に自分に残された使命として探し回り、
ついに2003年、メキシコにある資材置き場で発見した。

かなり傷んでいたため修復が必要となり、日本への移送が計画される。
到着したのは2005年4月のこと。
船が日本の港に接岸したその日、敏子氏は、息を引き取ったという。


ドラマチックなこの話をされたのは山下先生。
敏子氏と懇意にしていたそうだ。


乗りに乗ったのびやかな筆遣いで、脂ののった時期だろうと思い調べると、
制作年代は『太陽の塔』の同時期との由。

太陽の塔が背中に隠している黒い太陽
壁画のガイコツが少し重なるような気がする。


よく見ると、かすかに切れ込みが入ったような跡があり、修復のさまがうかがえる。

写真 3 (34)



10年ほど前には作品の復帰を支援するプライベートな応援団なるものが発足したようで
上記2名のほか、財界や学術界からも支援者が出て、福原義春氏ほかビッグな名前がズラリ。

建築家としては磯崎新氏など、女優宮沢りえ氏、コピーライター糸井重里氏、
その他三宅一生氏、コシノジュンコ氏、山口小夜子氏、などなどそうそうたるメンバーが顔を連ねる。


写真 2 (52)


壁画設置場所は、井の頭線の乗降客たちとマークシティへ向かう人々の波が交差するあたり。
つねにわさわさとしてせわしない。

行き交う人々の目にこの絵は映っていないことが多いようだけれど、
そんな奇跡の救出劇、敏子さんはじめ人々の尽力を知りつつ通る時、
思わず敬意の目を向けたくなるのだった。


写真 4 (11)


再生プロジェクトスペシャルページ:
https://www.1101.com/asunoshinwa/asunoshinwa.html
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2015.06.02 Tue | Art| 0 track backs,
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