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話題になった東大学部長の素晴らしい式辞
東京大学教養学部長 石井洋二郎氏の平成26年度 教養学部学位記伝達式での式辞がスゴイ、
と話題になったのは今年の3月末のこと。

→ 全文


1964年の3月、東京大学総長で経済学者の大河内一男先生の言葉はいまだに語り継がれている、
ところが、この話には大きな誤りがある。
しかも3つも・・・・

石井氏は、そんな驚愕の事実を明かし、伝言ゲームの不確かさを伝えつつ、現代のネット拡散社会のあやうさを指摘。
容易に流布するあり余る情報をうのみにせず、自分の目で検証して言葉に責任をもつことを提唱している。


・・と、一言でいうとそういうことなのだけれど、じつにわくわくさせる物語仕立てになっていて、
おもわず吸い込まれる内容だ。


実文を読むのが一番いいけれど、簡単にまとめると、

大河内総長の伝説の式辞:「肥った豚よりも痩せたソクラテスになれ」は、
以下の3点でまちがいだったという。


・これは、イギリスの哲学者、ジョン・スチュアート・ミルの引用なので、これを語った主語は大河内氏でなく、ミルとなるべきだった。

・しかもミルの原文は正確には、「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよい。満足した馬鹿であるより、不満足なソクラテスであるほうがよい」であった。明らかな改変であり、その事実を述べるべきであった。

・ところがさらにこの話には新事実があった。つまり、大河内氏は、原稿にはこのくだりを書いたものの、実際の式辞では飛ばしたのだとうい。間違いに気づいたのかどうか、そのへんは謎のままだ。


名スピーチといわれたものが、じつは準備した原稿上だけの話であり、
実際に語られることはなかった。
けれど語られなかった話がひとり歩きをした。


これを教訓に変えて与えた石井先生、すばらしい。
インパクトがあり、かつ抒情的なこの話は学生の心に一生記憶に残るのでは。
その裏にある戒めとともに。

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2015.05.12 Tue | Society| 0 track backs,
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