日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
ルオーとフォーヴの陶磁器@パナソニック 汐留ミュージアム <感想>
◆ 万華鏡のようなメテの作品


ルオーというと、厚塗りの道化師やキリスト教色をにじませた作品が思い浮かぶが、
今回の展覧会では、絵付けを施した陶磁器作品や、薄塗りの絵画作品(新鮮!)も並び
バリエーションを感じさせる内容だった。

さらに画家たちとコラボした陶磁器家アンドレ・メテ自身の作品や、
マティス、ブラマンク、ヴァルタ、ドランらの絵付け作品なども。


メテの陶磁器作品は、第一室に集められている。

以下写真は、ブロガー内覧会の折りに許可を得て撮影させて頂きました。

写真 1 (47)


メテの皿や壺の色合いは、どっしりと重く渋いものが多く、
図柄はどこか万華鏡を彷彿とさせる。
円形の幾何学を放射線状に配置している図柄が多いせいだ。

万華鏡というと、1817年、イギリスで特許が取得されて以来、各国に広まった。
マルセル・プルーストの作品(失われた時を求めて)にも、この言葉Kaleidoscopeが登場する。

「fixer le kaléidoscope de l'obscurité,」
寝室で目を凝らす際比喩的に使われ、暗闇との対比が鮮やかな描写になっている。


芸術家にとって、色彩鮮やかにイメージを膨らませてくれる格好の材料であったに違いないこの万華鏡。

ちょっと調べてみたところ、プルーストとメテは同じ年(1871年)の生まれで、
亡くなった年は、わずか2年違い。
前者が1922年、メテが1920年。

当時万華鏡が流行していた可能性があり、
メテの着想の源に、このKaleidoscopeが一役買っているに違いない、などと思うのだった。

特に下絵作品などを見るにつけ。

写真 4 (8)


同じ絵付けでも、やはりアーティストによって作品の雰囲気はかなり違う。
ヴァルタの作品にはシャガールを思い浮かべるような軽やかさがあり、
「花瓶 レダ」や「花瓶 三美神」といった神話のモチーフも描かれていた。


ゼウスが白鳥に変身したレダのお話は、ダヴィンチも絵画作品として描いたけれど、
(確か今残っているのは弟子の作品だったような・・)
ヴァルタの白鳥は、正面からは見えない。
女性の視線をたどって回り込むと、あ、いたいたゼウス!という感じになる。
なんだかお茶目で好き。


一方で、マティスも捨てがたい。
ミニマルにさっと引いた線だけであんな洒脱な花ができてしまう。

ブラマンクは絵画作品より、もしかしたら陶磁器作品の方が
好みかもしれない。


さてルオーの場合、マチエールの模索に陶磁器を利用したそうだ。
メテ、あるいはマティス、ドランのように装飾性を求めた感じがない。

セザンヌが追及したような構成や、モチーフの表現法を重視した様子。
ステンドグラス的黒い縁取りの要素は、既にこの時代からうかがわれる。


短い陶磁器制作の期間を経て、あのこってりとした油絵の画風が完成したという。
陶器の立体的なボリューム感を、絵の具で再現しようとしたのだろうか。

中学生の時に大原美術館でルオーの道化師と対面し、絵の具の山盛りに愕然としたものだが、
その後こちらの美術館含めあちこちでボリューミーな道化師やキリストを見たせいで、
去年大原美術館を再訪したとき、え?こんな”薄塗り”だっけ?と驚いたのだった。


メテの展示
写真 3 (27)

写真 2 (46)



==>  先のエントリー(ルオーとフォーヴの陶磁器展/パナソニックの新技術 スペースプレーヤー)にて
書いたとおり、画家と陶磁器家とのコラボレーションの様子は、会場内の
コーナーで見ることができる。


-------------

公式サイトトップページ: http://panasonic.co.jp/es/museum/
展覧会名: ルオーとフォーヴの陶磁器
場所: パナソニック 汐留ミュージアム
開館期間: 2015年4月11日(土)~6月21日(日) パンフレット»
開館時間: 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
休館日: 毎週水曜日(但し4月29日、5月6日は開館)
入館料: 一般:1,000円 65歳以上:900円 大学生:700円 中・高校生:500円 小学生以下:無料
※団体料金などその他詳細は、公式サイトの詳細ページへ
関連記事
2015.04.26 Sun | Art| 0 track backs,
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
"shw-greenwood" template design by Shallwill