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大英博物館展@東京都美術館 <感想> エピローグ
 「大英博物館展―100のモノが語る世界の歴史」 101番目の展示は・・・?!


大英博物館展<感想>続き(終章)。

「大英博物館展」の中でもひときわ麗しい《ウルのスタンダード》は、
モザイクファンにはたまらない。
ラピスラズリの群青をバックに、戦争と平和の風景が背中合わせにあしらわれている。


一見、物入れのように見えるこのオブジェ。
用途の謎は完全に解明されていないものの
戦場で軍旗(スタンダード)として掲げられたという説が有力らしい。


※会場内の画像は(「大映博物館展ナイト」の折りに))主催者の許可を得て撮影したものです。

平和の面
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戦争の面
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ウルのスタンダード》/紀元前2500年前/イラク/大英博物館蔵



発見時、接着剤として使われていたビチューメンは、かなり劣化していたという。
膨大な修復作業のおかげで今の姿によみがえったそうだ。
(廃棄物固化に使用されることでおなじみのビチューメン。
考古学的見地から安定性が実証された上での利用だが、さすがに数千年となると、ひとたまりもないようだ。)


イタリアのラヴェンナで見た4世紀のモザイクに半端なく心躍らせた私だったが、
こちらは、それを一気に3000年近くさかのぼるモザイク。
とはいえ出来栄えは秀逸で、3000年というタイムスパンをバックした作品とは思えない。
当時の技術面の進化の速度・過程は、50~100年で現代の1年分といった感じだったのではないか。



平和の面には、竪琴でメロディーを奏でる風景や

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上記《ウルのスタンダード》 <部分>


魚など獲物を手にした人々。

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上記《ウルのスタンダード》 <部分>


戦争場面では、左上に闊歩する兵士たち。
中央では馬に引かれた戦車が人を轢き殺し、
右上には、槍を突き刺されたような人や、後ろ手にしばられたような格好の人もいる。

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上記《ウルのスタンダード》 <部分>


本展ではその他にも、
銃でできたオブジェ(銃器でつくられた「母」像)、
戦闘用ヘリコプター柄が登場するアフガニスタンの戦争柄絨毯、
飲酒から抗争に至ったことを示すビールの図柄がついた盾など、
人類の争いの歴史を浮き彫りにする展示が散見される。



100番目の展示品を見終え、これで終わり、と思いきや、
エピローグと記された101番目のモノの展示が待っていた。

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紙管 ―― 坂 茂による紙の避難所用間仕切り》/2015年/坂茂建築設計


厚紙でできた避難所用間仕切りが並ぶ中、
部屋の奥のモニターには、紙の避難所用間仕切りを使用した世界各地の救援施設の様子が映し出される。

国境をまたいだ支援活動の様子がうかがわれる。


100個の芸術作品や生活必需品的モノたちを見ながら、時折人類が犯した諍いの歴史をチラリと実感し、
最後は世界規模での相互支援の精神で展示は終わり、
そして、「未来への歴史の1ページを飾る、現代を象徴するモノを選ぼう!」という投票コーナーが最後に登場する。

平和への希求を余韻として漂わせつつ、
101番目となる未来を築くのが我々であることも、自覚させるのだ。



大英博物館展エントリー:
1.大英博物館展@東京都美術館 <感想>
2.大英博物館展@東京都美術館 <感想> 個別作品編
3.大英博物館展@東京都美術館 <感想> エピローグ

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展覧会名: 「大英博物館展―100のモノが語る世界の歴史」
会場: 東京都美術館 企画棟 企画展示室
会期: 2015年4月18日(土) ~ 6月28日(日)
休室日: 月曜日、5月7日(木)
※ただし、5月4日(月・祝)は開室
開室時間: 9:30~17:30 (入室は閉室の30分前まで)
夜間開室: 毎週金曜日は9:30~20:00 (入室は閉室の30分前まで)
観覧料その他詳細は、HPを参照
東京都美術館の本展覧会サイト: http://www.tobikan.jp/exhibition/h27_history100.html
特設サイト: http://www.history100.jp/
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2015.04.21 Tue | Art| 0 track backs,
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