日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
芸術と科学の力
巨匠の名画か贋作か、
模写や弟子による工房制作などにより、見きわめが微妙な話をよく耳にする。

ダヴィンチなどの場合、左利き独特の左上から右下への筆致が判断材料のひとつとなる、
そんなことを聞いた覚えもある。

真贋論争が続いたフェルメールの「ヴァージナルの前に座る若い女」においては、
キャンバスの素材のミクロな調査が決め手になったそうだ。

素材といっても、具体的には「スレッドカウント(糸の数)」。

1センチあたり何本の麻糸が使われているかを調べた結果、
画家の傑作「レースを編む女」のキャンバス合致したことが分かったという。

布糸の分布は通常一定ではないので、
”2つの絵のキャンバス地は同一の布から切りだした”、と結論づけられる。

工房のような共同作業で制作した画家でなかったので、
こうなると反論の余地はほぼなくなる。

競売/美術館関係者や美術史家にとっては朗報に違いない。

けれど、筆触や筆致などの癖や時代ごとの画風変遷をもとにあれこれと重ねられたぬくもりのある議論が、
芸術的な見方とは別の(或いは一見正反対とも見える)無機質な力で唐突に絶たれるのは、
ちょっとどこか寂しい気がしないでもない。

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2015.04.16 Thu | Art| 0 track backs,
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