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東京国立近代美術館/ 大阪万博1970 デザインプロジェクト <感想>と<お勧めの理由>
現在、東京国立近代美術館で開催中の「大阪万博1970 デザインプロジェクト」展が興味深かった。

単なる陳列ではなく、
デザイナーは、当時万博をどう見たのか、そんな視点で追っていく。

そのための手法として、近代美術館が選んだ手法は、
<表に出なかったものを見ること>。
コンペで選ばれなかったデザインを掘り起こしてきた。

完成形だけで、万博の裏にある時代のうねりは把握できない。
実現しなかった万博の構想をも見据えることで、時代感が再現できる、という発想だ。

ただし没となった資料というのはアーカイブとして整理されておらず、
発掘には苦労された模様。


一旦コンペで審査員が選んだものが、どんでん返しさせられたケースもある。
そのデザインのどこがマイナスと取られたのか、などその理由を知ると、
鮮やかに当時の空気が浮かんでくる。

具体的にはー
選ばれた後に、経団連会長を12年務めた石坂泰三氏により却下された図柄は、
2つの●(東西冷戦中の2つの世界を表現)をつないで、その上にさらに●(日の丸を想起)をひとつ置くことで、
冷戦を日本が取り持ち、平和を主眼にすえる内容だった。

しかし日本が両国の上にくる点が問題視された。

コンペはやり直し。
最終的に桜のようにあしらわれた5大陸を表したデザインが選出された。


審査員長を務めた勝見勝氏は、選んだものが没となり面目丸つぶれだったが、
後に残したコメントは潔い。

紆余曲折あったが、これまでないがしろにされることが多かったデザインが
これだけ論議を巻き起こしたことは、その評価の高まりを意味することに他ならない、
とポジティブに受け止めたのだった。


万博、その予算は2000億円。東京五輪の100億円をはるかにしのぐ。
財政面だけではない。来場者数は、6000万人。
五輪観戦者数は、200万人だった。

五輪との比較においては、期間の違いはあるけれど、そこはかとない規模であったことに驚く。
面積は北の丸公園の16倍。そこに 100のパビリオンがつめこまれたという。


表面的に見るだけでなく、時代を感じつつ鑑賞すると、とても奥深い展示だった。

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http://www.momat.go.jp/Honkan/expo70/

会場: 東京国立近代美術館ギャラリー4 (2F)
会期: 2015年3月20日(金)~5月17日(日)
開館時間: 10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
※入館は閉館30分前まで
休館日: 月曜日(3月23日、30日、4月6日、5月4日は開館)
入館料: 常設展のチケットで入館OK
一般 430円 (220円)
大学生 130円 (70円)

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2015.04.07 Tue | Art| 0 track backs,
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