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永田和宏さんと河野裕子さん
日経新聞で、細胞生物学者で歌人という永田和宏さんのエッセー「プロムナード」の連載が始まったのは2010年のこと。

まず目を引いたのは、その肩書き。
数学者で作家の藤原正彦さんが文壇デビューした時と同じ、羨望の混じった驚きを覚えた。

理数系と文系という、世の中を二分すると私が思い込んでいる、その異質の世界を行き来する人がいる。

しかも双方で一流、というのがミソである。

どういう脳の構造なのか、不可解に思いつつ、
エッセーからその謎を解いてみたいものだ、と思ったりもした。

その連載の最終回、妻で歌人の河野裕子さんが深刻な病に冒されていたことが綴られていた。
亡くなられたのは、その連載終了後、まもない頃だったと記憶している。


〈歌は遺(のこ)り歌に私は泣くだらういつか来る日のいつかを怖る〉  永田和宏
・・・ その最終回の時に掲載されたものだ。

〈手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が〉 河野裕子
・・・ その後、追悼記事で知った歌。せつない。


そして今年、新たな永田和宏さんのミニエッセー連載が、日経新聞「明日への話題」のコーナーで開始となった。
3ヶ月間のコーナー最終日、再び河野裕子さんの話が登場した。

ドイツで行われた学会のプレゼンテーション。
永田さんがパソコンを操作する(恐らくパワポ)。
1枚目のスライドとして映し出されたものは、、、何故か妻の20才の頃の画像だった。

PCの壁紙に貼っていたものが、なんらかのアクシデントでスライドと入れ替わってしまったようだった。

永田さんいわく、”河野裕子の呪い”。
ウソのような本当のお話。
永田さん担当分の「明日への話題」最終日がエイプリールフールの日だった、というのも、神のいたずらか。

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2015.04.04 Sat | Society| 0 track backs,
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