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グエルチーノ展 <感想2 展覧会前に頭に入れておくバロック芸術の予習>
「グエルチーノ展 <感想・混雑具合>」のエントリーで鑑賞のコツを述べたけれど、さらに
当時のバロック芸術のイメージを展覧会鑑賞前に捉えておくといいかと思う。


まずバロック芸術の特徴とは何か?
バロックの旗手として浮かぶのは、まず彫刻家ベルニーニあたりだろうか。


ローマのサンタ・マリア・デッラ・ヴィットリア教会にある「聖テレジアの法悦」や
ボルゲーゼ美術館の「プロセルピナの掠奪」、「アポロ と ダフネ」 が有名だが、
やはりローマにある、サン・フランチェスコ・ア・リーパ教会の「福者ルドヴィカ・アルベルトーニ」に見られる
死に際において発散される恍惚感は聖テレジアに勝るとも劣らない。


(ちなみにこの教会、写真撮影は禁止。この日通りかかったら偶然ドアが開いていて、
外から望遠で撮ってもOKか中の人に聞いたらOKと言われ撮影。
でも、その時によって外からでもNGと言われることもあるようだ。
ボローニャのドメニコ教会などでも、管理人さんと仲良しになると、ツーショット写真を始め、内部で撮影を許可されたりした。)

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このように、バロック芸術というとドラマチックで、ダイナミック。
よくバランスを崩した動的な点が特徴と言われる。

当時も今も絶賛されているという点で、グエルチーノとは一線を画している。

グエルチーノは、ボローニャ派バロックにあって、
一種のアカデミー的施設を設立したカラッチ一族ほどの知名度はなく
画風も大人しく、伝統的で、構図や表情のインパクトはそれほどでもない。

けれど、後期は闊達な筆遣いでじわっと心にしみるものも多々あり、
じっくり見るとなかなか侮れないことを今回の展示で知った。

何より、教会でしか見られないような大型の宗教画が、
チェント市立博物館の被害という痛ましい事情を経て、
これだけ多く見られる機会は貴重。
今後訪れるであろうイタリアの教会にかかっている絵が身近に感じることだろう。


さてこのバロック派、画家として有名どころは誰か?
やはり言わずと知れたカラヴァッジョ。
いまだにカリスマティック。


ローマのサンタ・マリア・デル・ポポロ教会には、素晴らしいバロック作品3連作がある。

カラヴァッジョの「聖ペテロの磔刑」(左) Crocifissione di San Pietro,
アンニーバレ・カラッチ 「聖母被昇天」(中央) Assunzione della Vergine
カラヴァッジョ 「聖パウロの回心」(右) la Conversione di San Paolo
がズラリと並んでいるのだ。


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左から
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カラッチの折り重なる構図もさることながら、
やはりカラヴァッジョの光のダイナミズム、斬新さは圧巻。
暗闇に浮かび上がるペテロやパウロは圧巻で、当時の衝撃やいかに、と思う。


アンニーバレ・カラッチの方はマニエリズムを押さえつけたバロック期にあっては一流とみなされ人気を博したが、
その後その存在は薄くなってしまった。
今回の展示には、アンニーバレの従兄、ルドヴィーコの作品が来ている。

一流といわれたアンニーバレですらボローニャ以外では存在感が薄れ、
ましてグエルチーノにおいては名前すら忘却のかなたといった様相だ。

けれど、今回のグエルチーノ展では
凛とした風情が印象的なキリストの復活などの意欲作をなかなか好ましい環境で見ることができる。


(つづく)
* * * * * *

会期:2015年3月3日(火)~5月31日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時30分
毎週金曜日:午前9時30分~午後8時
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし、3月30日、5月4日、5月18日は開館)


http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2015guercino.html
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2015.03.20 Fri | Art| 0 track backs,
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