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グエルチーノ展 <感想・混雑具合>
◆ 『グエルチーノ展 よみがえるバロックの画家』 @国立西洋美術館 

(5/17 下の方に混雑情報追記)


国立西洋美術館で開催中のグエルチーノ展は、普通に印象派絵画やモダンアートなどを見る感覚で出かけると、
違和感があるだろう。

それらの絵の設置場所としてもともと意図された教会をイメージするとよいのでは、と思う。


もちろん、キリスト、聖母マリアの表情や空の色など
絵そのものの表情を愉しむ手もあるのだけど、
マニエリズムが終わり、バロックに差し掛かった当時の時代背景を考慮すると、絵により近づける。


当時はといえば、信仰の手段として偶像を禁止した宗教改革に対抗すべくるカトリック教会が立ち上がった時代。
トレント公会議の開催を機に、カトリック側は対抗案として、
偶像・絵画で市民の心を掴む方向性を鮮明にする。

聖書の物語を一般市民に分かりやすく知らしめるべく、親しみやすい絵を描いた
アンニーバル・カラッチなどカラッチ一族やグエルチーノらのもとには、教会画の注文がくる。。。

そうした時代の色が投影されて描かれた絵たちなので、
漠然と見るよりも、聖書の内容やカトリック教会の存在を意識して見ると、絵とより対話ができる。


聖書の該当部分が不案内でも、教会内部をイメージするだけでもいい。
例えば、カラヴァッジョやA・カラッチの絵で知られるローマのサンタ・マリア・デル・ポポロ教会
を思い浮かべてみる。
(*以下の写真はグエルチーノが描いた絵でなく、ローマのポポロ教会で撮影した参考用の他の画家の絵)

これは同教会チェラージ礼拝堂のマラッティの聖母被昇天。 
Carlo Maratti “Immacolata concezione con santi”

P1160914.jpg


通常の教会画は、柱などの建築と一体化している。

下の絵の画家は不明なるも、題材は「東方三博士」だろう。
上部が半円形に切り取られ、円天井と呼応している。

P1330316.jpg


教会で見るバロック絵画は、単体で切り離して見るというより、こうした
もろもろのセッティングの中でおごそかに見ることになる。

聖書の当該部分、当時の様子、教会の雰囲気、信仰に対する人々の熱い思い
などを浮かべつつ、私は鑑賞した。


さて、具体的な個々の絵に関する感想は明日にでも書くつもり。



*** 混雑状況について ***

週末、講演会を聞いたついでに鑑賞しようと思ってやや驚いたことがある。
週末にしては、意外に混雑がひどくない。
絵が大きく、やや上部に掲げられており、近づいて見るわけでないし、広い空間に絵が散らばっているので、
1列に並んで見る種類の展示ではない。

チケット売り場にも列がない。
ただやはり波があるので、突然人が増えたなぁ、といったタイミングもあり、
そうなると、絵の下部が見えず、ちょっと体をあれこれ動かして見る感じ。

混雑状況につい、インフォメーションでうかがったところ、
平日はもっと空いていると。
具体的には、平日の閉館1時間前ぐらいだと、1枚の絵に数人といったところのよう。
(ただし閉館1時間前だと、気持ちの面で、やや慌ただしいかも。私は鑑賞に1時間半かけてゆっくり見た。)

2年前、会社の半休を取って行った展覧会が大混雑だったことがあり、
意外に平日昼間は主婦などで休日に負けぬぐらいごったがえしていると知ったが、
この展覧会に関しては平日の方が空いている、というタイプらしい。
主婦層に人気の源氏物語・・展とかいうのに比べれば、主婦層より会社員層が多いのかもしれぬ。
 

絵の点数は44点で、それほど多くない、
グエルチーノの知名度がそれほどでもないことも、この状況の一因だろうか。

(かくいう私もバロック画家ではカラヴァッジョやカラッチ一族の方が好みで、
グエルチーノの絵は光の効果もさほど劇的でなく、大人しい絵、という印象が強かった。
でも今回、よさを発見。とくに後半の絵が気に入った。
グイード・レーニの未見の絵に出会えたのも嬉しかった。)

ということで、結論としては、会期前半はこれまでの展覧会に比べると混雑はひどくない。
また、金曜日は20時までなので、ゆっくり見られること間違いなし。
後半にいくにつれ混雑が進むのは間違いないので、前半がお勧めだ。



なお、これらの絵は、所蔵されていたチェントにおける地震被害を受け、
絵画館から運び出されたもので、震災復興事業の一環として、収益の一部が絵画館の復興に充てられるそう。


(5/17 混雑情報追記)

やはり今回のグエルチーノ展、どうやら最終日近くなっても空いている。
週末日中だというのに、チケット売り場、入口の解説に混雑なし。
関係者の人に聞くと、やはり稀に見る空き具合らしい。
タイミングさえうまくいけば、絵を独り占めできることもあった。
なにしろ大半の絵が大きいので、数人群がっていても気にならない。
ぞろぞろ1枚ずつ行列して、待ちながら見るという事態は発生しない。
ひとえに知名度の問題らしいが、有名人でなくともバロックの重要人物。
なにより教会画がくるという滅多ない機会。お勧め。

* * * * * *

会期:2015年3月3日(火)~5月31日(日)
開館時間:午前9時30分~午後5時30分
毎週金曜日:午前9時30分~午後8時
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(ただし、3月30日、5月4日、5月18日は開館)


http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2015guercino.html
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2015.03.19 Thu | Art| 0 track backs,
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