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新国立美術館 「ルーブル展」 <お勧めと感想>
新国立美術館で開催中の 「ルーブル展」は、風俗画にスポットライトを当てた内容。

単にルーブル美術館の絵画、というイメージだけで訪れると、ギャップがあると思われるので
事前に風俗画を認識してから出かけるとよいかと思う。


アカデミズムが主流だった時代、絵画は下記の5つに格付けされていた。

1.歴史画・宗教画 (Peinture de l'histoire/ religieuse)
2.肖像画、自画像 (Portrait / Autoportrait)
3.風俗画 (Scène de genre)
4.風景画 (Paysage)
5.静物画 (Nature morte)


この格付けに従い、絵画の価値も決定づけられた。

ひとたびアカデミーから風俗画家と判定された画家は、
そのレッテルを超えることはできず、
型にはまった画風が奨励された。

そんなアカデミズムへの憤懣をやや感じさせるようなシャルダンの作品も本展にはある。
(猿まねの画家を捉えた絵)。


(ブリューゲルは来ていない、と前回書いてしまったものの、
農民画家のブリューゲル(父)の絵、1点きていたと指摘されました~。すっかり忘れていた。
2年前ルーブルで見た時のインパクトはなく、近くにあった抜歯屋が余りに笑えたせいかな。
ちなみに今回のハイライトとして、普段ルーブルで素通りするようなフランス人画家の風俗画に
注目すべし、とはフランス人マダムMの談話。
特に彼女のお勧めは、猿まねの画家を描いたシャルダン。確かに風刺が効きまくってる。
とはいえ、誰もが共感するわけでないだろう。)


ル・ナン兄弟といった日本では知られない19世紀限定で人気の出た画家の絵もある。

馴染みのない画家が多いと感じる向きも多いかもしれないが、
印象派などとは違い、刺激がある。


暗示的な小物などに注目していくと、なかなか惹きつけられる。

さらにロココの画家ヴァトーや、バロックのアンニーバレ・カラッチなども混ざっていて、
風俗画の広がりの広さも感じさせる。
特にアンニーバレは、自然風景画の地位を確立させ、プッサン、クロード・ロランなどに影響を与えた人物。

(日本ではバロックというとカラヴァッジョ一辺倒だけど、ボローニャあたりに行くと
カラッチ一家の存在感は大きい。)


ティツィアーノの「鏡の前の女」などは
わざわざ鏡を小道具にもってきた意味を知ると(解説に書かれている)
競争心のようなものも透けて見える。

なによりたっぷりとした衣装を身にまとった美女の怪しげな美と
圧倒的な存在感に引き寄せられる。


今まで見てきたものたちと、ちょっと視点を変えた展覧会。
印象派の前の時代を認識する上で、ためになると思う。
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2015.03.05 Thu | Art| 0 track backs,
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