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新印象派-光と色のドラマ(東京都美術館) 感想
都美で開催中の新印象派展。

会期開始早々混雑していると聞き、先週末、雪の日の夜間開館を狙った。
(本展覧会は、開始早々、結構込んでいるらしいので、後期はなお込むのでは、と推測。)

悪天候に加え、夜間開館ということで、
やはりガラ空き、人もまばら。
じっくり相対することができた。


◆ 東京都美術館のメリットは、最後まで見たら、出口手前のポイントで、最初から
  引き返すことができる点。まず、何も読まずに絵だけ見て、再度じっくり解説を読みつつ絵が鑑賞できる。
◆スーラの点描の秀逸さが際立った
◆レイセルベルヘの署名にもご注目



構成はうまくできている。

新印象派前の印象派モネから始まり、一瞬感化されたものの
フォービズム平行するマティスで終わる。

そして、コアの新印象派の画家たちの作品がズラリと並ぶ。


構成の詳細はこちらのサイト http://neo.exhn.jp/exhibition/に書かれているけれど、

事前にあまり先入観をつけたくないので、そういうものは見ず、
まず行って、先に絵を何の解説も読まずに見てから、
出口手前のポイントで最初の部屋に戻り、今度は解説を読みつつ鑑賞するようにしている。

東京都美術館は珍しく、出口を出る前に、もう一度見たい方は、こちらから、
という引き換えしスポットがあり、最初の部屋から見ることが可能。


印象派というイメージの強いピサロがこのカテゴリーでもくくれるのは
なるほど、気が付かなかった。


色彩の交じりがなく、単色で描きつつ、それを近接させることで、
目の上で色を溶け合わせるという点描画の手法。

夜景を得意としたマクシミリアン・リュス「ルーヴルとカルーゼル橋、夜の効果」1890年
等においては、揺らめきが美しく、点描技法の底力を思い知る。
 

その一方で、点描の人物画は、全体として窮屈な感じがした。

もちろん、テオ・ファン・レイセルベルヘの作品など、
色のシンフォニーを奏でつつ、装飾性があり、同時にモデルの個性もうかがわせる深い味わいをもつものもある。

ただ、人物の肌を描くのに、点描技法(une technique pointilliste.)を使う
必要があったのか、疑問に思った。

肌の色が濁らないので、印象派技法より人物画には点描の方が向いている、という話を聞くが、
近くで見ると、細かいドットが肌をぎっしり埋め尽くし、こんなに細かいことを延々続けていたら
神経衰弱になりそう。

色の解放を目指しつつ、人間自身ががんじがらめに縛られてしまったのではないのかな、
そんな息苦しさを覚えた。


短命のジョルジュ・スーラ作「セーヌ川、クールブヴォワにて」は初見だったけど、
静かで落ち着いた佇まいは、ヒーリング効果があり、心安らぐ秀逸な作品だった。


マリーナ・フェレッティ・ボキヨン氏(本展総監修者でジヴェルニー印象派美術館副館長さん)いわく、
点描は、「le mélange par l'œil」(目で混ぜる)手法。
作品群を見ていると、色の追求の努力はよくわかった。

色にあくまでこだわった様は、第2章「科学との出会い- 色彩理論と点描技法」に詳しい。
筆触分割などの説明と同時に、シニャックのパレットなども置かれ、ビジュアル的にもわかりやすい。


ふんだんに見られて嬉しかったのはシニャックの作品。
大きいタッチに変化していくさまもわかる。
(やはりTouche petit(小さいタッチ)は後年めんどくさくなったか?)

どの作品も、堅苦しさは感じられず、清々しい。
ブリヂストン美術館で見慣れた画風に近いものも展示されていた。


これだけ一気に新印象派を見られる機会はめったにない。
ひたすら技法に走る姿が前面に出ている作品もあり、
そのバランス具合で、芸術性という意味で、全て成功しているとは言えない気もした。


ひとつ面白かったのは、普段馴染みのないテオ・ファン・レイセルベルヘ。

署名の入れ方が面白い!

人物画の手帳に重ね、手帳の柄のように見えたり、
「マリア・セート、後のアンリ・ヴァン・ド・ヴェルド夫人」の絵では
画中画の署名として描かれている。
お茶目であり、書名の凝った逆さRが、模様としても麗しい。

上述の「マリア・セート・・」の絵でも、ヘアスタイル、壁紙の渦巻き模様など
装飾性漂う作品だ。


****

名称: 新印象派-光と色のドラマ
会場:   東京都美術館
会期: 2015年 1月24日(土)~2015年3月29日(日)
開場時間: 9:30~17:30(金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで。
休室日: 毎週月曜日
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2015.02.07 Sat | Art| 0 track backs,
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