日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
菊池寛実賞 工芸の現在 展 / 菊池寛実記念智美術館
菊池寛実記念智美術館で現在行われている「菊池寛実賞 工芸の現在 展」へ。


「選定委員によって選出された、近年優れた活動を行う作家」さんたちの展示ということで、
予想していた陶器以外の工芸品が特に目を引いた。

中でも、相原健作さん(金工)の大ぶりの作品の意外性と存在感はずっしりと記憶に残る。


*写真撮影は内覧会の折りに許可を得ています。
P1670552.jpg


ミクロに近いような昆虫の世界が、
空間いっぱいに広がる様は、ダイナミック。


さらなる魅力は、
作品が発する、様々な対照的な要素。


自然界に通常数センチの存在として現れる昆虫が、巨大な姿で堂々とした存在感で表され、
限られたテリトリーを動き回るだけの存在が、広々とした無限の空間に羽ばたいている、
そんなサイズの対照性だけでなく -


材質・雰囲気の面でもー

金属独特の堅さが甲殻にピッタリ。それでいて、
金属なのになめらかで、しなやかで、繊細で。
「メタリック」から連想する冷たさに相反するような滑稽さも漂っていて。


さらに、工業製品としての金属が近代を彷彿とさせつつも、
自在置物に続くような、日本的な伝統・「和」をも感じさせる。


横から見てみる:

P1670536.jpg


ふと見れば、天井のライティングが何気にお洒落。

P1670537.jpg

P1670544.jpg



下の写真左隅、(壁に井桁に並んだお皿の下)見えているのは、
江波富士子さんの「祈」の連作(インスタレーション)。


P1670550.jpg


ヴェネチア・ムラーノ島で考案された「ムッリーニ」なる技法だそう。

微細なガラス片を敷き詰めて制作された器は極上。
中でもその中の1点、白い器などは特に華麗で妖しく、いつまでも見ていたい。

繊細なガラス模様から労の大きさがうかがわれ、
その苦労の分だけ祈りの深さが漂う。



その他、中村信喬さんの博多人形も出展されていた。
独特の雰囲気を伝えるチャーミングな美術品。


解説でうかがった話によると、
この博多人形の英文の呼称において、今後「Dolls」という言葉は回避するらしい。
玩具のニュアンスが出てしまうため。


なるほど。

リヤドロは Lladró porcelain figurinesと呼ばれているので、
こちらは、Hakata clay figurinesとするなどの案もありかも。



相原健作氏(金工)、石田知史氏(ガラス)、江波冨士子氏(ガラス)、神農巌氏(陶磁)、須田賢司氏(木工)、田口義明氏(漆工)、築城則子氏(染織)、中村信喬氏(人形)、新里明士氏(陶磁)、春木均夫氏(人形)、武関翠篁氏(竹工)、山本晃氏(金工)の12名の方々の作品が展示されており、上記はごく一部。



うるわしく、ゆったりとした空間で、ゆっくりとひとつずつの作品と対峙できる。

***

最後にオマケ:

2年前に5日間入り浸ったルーブル美術館で撮った写真の中から西洋風工芸品はないか
探してみた。

探せども、小型・中型彫刻の域を出るものがない。

↓こんな感じの浮彫のようなものは多数あるけど。

16世紀、チェッリーニの「フォンテーヌブローのニンフ」
(下記2枚はルーブルで撮影したもの。)

P1210975.jpg


一方壺は、古代から様々なバリエーションがある。
縄文土器のワンパターンとは大違い。

P1220278.jpg


壺はともかく西洋の工芸品って、アジアほどの広がりがない印象もある。
東西の違い、探究ができていないけれど。


****

場所: 菊池寛実記念智美術館
住所: 〒105-0001 東京都港区虎ノ門 4-1-35 西久保ビル
展覧会: 「菊池寛実賞 工芸の現在」
会期: 2015年1月24日(土)~ 3月22日(日)
休館日: 毎週月曜日
開館時間: 11:00~18:00  ※入館は17:30まで
公式サイト: http://www.musee-tomo.or.jp/
関連記事
2015.02.02 Mon | Art| 0 track backs,
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
"shw-greenwood" template design by Shallwill