日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
「ジヴェルニーの食卓」、「春の戴冠」 ・・ 史実の合間をクリエートする小説
上記の2冊、「ジヴェルニーの食卓」(原田マハさん)、「春の戴冠」(辻邦生)は、
ともに史実の隙間をフィクションで埋めつつ創られた小説。

前者はクロード・モネを描いたもの。
後者は、ボッティチェリの生涯。
(まだ上巻が読み終わらない・泣)


先日、その原田さんの相変わらずチャーミングなトークを聞いたのだが、
やはり厳然と存在した史実にフィクションを加えることに躊躇いはあったようだ。

そうしたフィクションにに相対する時の心構えなどを披露されていた。
トークだからこその営業秘密披露もあったであろうから、
詳しくはここでは書かないけれど、いずれにせよ、対象人物への惜しみない愛は
作品を読むにつけ感じられる。


一方、後者の辻氏の作品も、
読み進むほどに驚くのだが、かなり細部にわたって詳細な史実が盛り込まれている。
事実を脚色するというより、知られていない部分に手を付けるというスタイルで、
迫真の歴史小説が生み出されている。

余りに繊細な筆づかいのため、
思わず、ノンフィクションなのでは?、と戸惑ってしまうほど。

辻氏のこの本が出版されたのはいまから37年も前の事。
まだ地球の歩き方などない。ネットの存在は言わずもがな。

ここまで綿密によくも調べられたものだ。
今日読んだくだりも、歴史的事実として認識している内容を中心に展開する。
ボッティチェリと画家のリッピ父子との関係は事実と言われている内容そのものだ。

でも隙間には、あらゆる想像が盛り込まれているはずなのだ。
(原田マハさんは、それを、”想像の翼を羽ばたかせる”というキレイな言葉で語られていた。)
でもそうした作為的穴埋めを気づかせない技がそこにある。


これだけの史実を調べるのには随分時間もかかったことだろう。
気が遠くなるような地道な努力があったに違いなく、そんなことをせずに
ネットで検索して、あらゆる情報が簡単に手に入る今の状況が申し訳ない気がする。



ジヴェルニーの食卓ジヴェルニーの食卓
(2013/03/26)
原田 マハ

商品詳細を見る



春の戴冠春の戴冠
(1996/02)
辻 邦生

商品詳細を見る

関連記事
2014.11.25 Tue | Books| 0 track backs,
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
"shw-greenwood" template design by Shallwill