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菊池寛美記念智美術館 「岡部嶺男 火に生き 土に生き 展」
スタイリッシュな空間に、ダイナミックで表情豊かな陶器たちが並ぶ。

シャープでモダンな佇まいの中にぬくもりが漂う菊池寛美記念智美術館で、
 「岡部嶺男 火に生き 土に生き 展」が行われている。

内覧会の機会にお邪魔させて頂いたので、感想など。

岡部嶺男紹介文==> 公式サイト


はみ出した土、鋭利なひび割れの隙間、力強いヘラの跡、波打つ凹凸・・・
荒々しい表面の間を釉薬が生き物のように流れ出し、
澱んで、流れて、止まっては、再び溢れ出す、
そんな動きを永遠に閉じ込めた動的な作品があるかと思えば、

同時進行的に創作されたという端正な青磁が凛とした佇まいで並んでいる。

精緻なシンメトリー、明快な曲線美を追求した青磁の作品には張りつめた空気が漂い、
上述の作品の「動」に対し、完璧な「静」の対比を生み出している。



*以下写真は、内覧会の機会に許可を得て撮影したものです。

捻じれたパンチが効いた作品も。
吸引力のある大胆な口作り。
全体的に個性的な口作りが目を引いた。

写真 3



変わり種は、この作品、というより発注品なので製品というべきか。
骨壺としてオーダーされ、当初の意図としては使用されぬまま鑑賞用となっている。

中に入れるべきお骨とは対照的とも思える壺の方の生命力。

写真 (62)


こちらはオブジェ。
どこをどう見ても穴がない。
存在感のある塊がアットランダムな統一感を見せている。

写真 2


そして、いつもの流線的な室内空間。

写真 1


初期には食器も制作していたそうで、時期ごとにまとまった作風で創っては、
あるタイミングで大きく変化していった、そんな痕跡もうかがわれる。
(上述の通り、青磁などは、他の質感の作品と同時進行で作られたようだが。)


一貫して素材にはこだわり続けたという岡部氏。

各時代ごとのスタイルからは、なんらか拘り・追及すべき指標を自分の中でしかと据えていた様子がうかがえる。


岡部さんに限った話ということではないけれど、
フリースタイルの陶器を創作する上で、強い信念、自分自身なにか律する厳しい規則がなければ、
こうした魂のこもった作品は生まれないのではないかと思う。

作家の須賀敦子さんはかつて、散文が自由形式になって無味乾燥になったとおっしゃっていた。

自分自身に課した厳然たる枠の中でひたむきに努力するからこその緊張感を
岡部氏の作品の中に感じた。


*****

場所:菊池寛美記念智美術館
展覧会名:岡部嶺男 火に生き 土に生き 展
日程:10月11日(土)~ 2015年1月12日(月・祝)
休館日:月曜日(但し祝日は開館、翌火曜日休館)
年末年始[12月28日~2015年1月1日]
URL: http://www.musee-tomo.or.jp/exhibition.html
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2014.11.10 Mon | Art| 0 track backs,
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