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ウフィツィ美術館展 感想 / 東京都美術館
◆ 展覧会の着目点 一例

東京都美術館で開催中の「ウフィツィ美術館展 黄金のルネサンス ボッティチェリからブロンヅィーノまで」。

マニエラ ・モデルナ(新しい様式)という副題がついている通り、様式に着目してみると、
イタリア・ルネサンス期の絵画におけるフランドル絵画の影響という視点が可能になる。


小佐野重利先生によると、
ファンエイクの「聖痕をうける正フランチェスコ」の絵は、
ヴェロッキオ、ギルランダイオ、レオナルド・ダヴィンチらの絵に影響を与え、
モチーフの類似性を見る。


宗教的題材の画中、描き込まれた遠景の風景画を細かく見てみると
北方絵画で描かれている山が、イタリアルネサンス絵画に引き継がれていたりする。


工房という体系で制作をつづけたイタリア人画家たちは、
フランドル絵画から引用したモチーフや構図を、何度も繰り返していたことがよくわかる。


そもそも、工房の後継者というのは創意に欠けるが忠実な人が選ばれることが多いせいもあり(小佐野先生弁)
モチーフの使い回しが想像以上に多いことに気づかされる。


また、涙の表現などはフランドル絵画に細やかな描写を見ることができ
そうした感情の吐露といった表現も、ルネサンス期にイタリアへも流入し、徐々に進化していったようだ。

(個人的には、ルネサンス期の人間表現は、ジオットの感情表現からの流れだと思っていたのだが、
それよりもむしろ、北方絵画の表現法が取り入れられているという話だ。)


今回の展覧会では比較すべきフランドル絵画はないものの、
代わりにイタリア絵画同士の比較ができる。

背景の描き方、人物の所作、顔の表情など、当時流行だったある種のスタンダードありきで
描かれている。


サヴォナローラの影響を受ける前のボッティチェリの瑞々しい女性像にもうっとりだったが、
類似性を踏まえた上での独創性、という着目点で、各々の絵を見比べるのも楽しい。
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2014.11.02 Sun | Art| 0 track backs,
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