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國學院大學博物館 / 「戦国・織豊期の古文書」展
◆ 千利休や毛利輝元の自筆もある 

入場無料だというのに、素晴らしい質の高さを誇る國學院大學博物館。

パンフレットの質もよく、ミュージアムトークやシンポジウムも整っている。

既に今年10回以上訪問。大体こうしたトークや講演会の日に合わせて訪れた。


浮世絵の特別列品の折りは、所有者の方じきじきの説明があり、
同じ作品でも初版と後で、繊細さが失われ、省略が入るなど、価値が劣っていく。
なるほど、これぞコレクター目線!


特別展「富士山-その景観と信仰・芸術-」の際は、かぐや姫が犯した罪を
推測するといった意外性のあるお話も。


さて今回の企画展は古文書展。
地味ながら、ツボを確認しながら鑑賞すると、返って絵画などよりも
歴史が生き生きと蘇る感があって楽しい。



● 太田道灌状


冒頭の展示、太田道灌状は「写し」なのだけど、紙質が古く、
死後割と早い時期につくられた写しらしく、内容も重厚なので、価値はそれなりにある。

また、道灌の文書は10数点しか残っておらず、
秀吉の6000点とはえらい違い。
ということで、他館への貸出率No.1の文書なのだとか。

また、紙に虫食いがあるが、文字はそれを避けて書かれており、
紙を再利用し、もともと穴あきだった紙に書かれたものらしい。
つまり当時は、紙は貴重だったということだ。



毛利輝元自筆書状

突然仮名が多い書状が登場した。

毛利輝元の自筆だ。
書状をしたためる際、通常ほとんどの部分を代筆させるため、
書きなれていないためだそう。

流麗という感じではないけれど、
奔放で自由闊達な感じ。(写真)


*写真は内覧会の機会に許可を得て撮影しています。
P1620943.jpg



うち1通の内容は生々しい。
隠密な決起を呼び掛けており、
「鉄砲は目立つので(*)、弓矢の者を十人ばかり共とし・・・」
など、張りつめたリアリティ。

(*)の理由は、火薬だと臭いがしてばれてしまうし、連写が無理だから、ということらしい。

花押、書名、日付がないので、そういう場合、本物でないとみなすケースもあるが、
この場合は、懇意な相手であったからこそ、という解釈で本物とされている。



● 千利休書状

ケース奥にあるのが千利休の書状。


P1620945.jpg


とはいえ若い頃の自称を使っているため「宗易」と名が記されている。

字体は、ぎこちなくて、わびさびというオブラートで美化したとしても、
貧相さは否めない。

内容は、茶会の日程変更に対する賛同を表すもので、
堅苦しくなく、ヒューマンで、千利休という人を身近に感じることができる。

こちらは重要文化財。
大学併設の他のギャラリーには重文は展示不可。
博物館認定のある建物のみで展示が可能となるそうだ。





文書の展示は、絵のような派手さがないのでつい漠然と見てしまいがちだけど、
見どころを押さえておくと、見やすくなる。


◆ 武将の朱印の使い方
信長:1つのハンコを朱にも黒にも使った。(両方の色が出てくる)
秀吉:朱印ONLYだった
秀吉の息子秀頼:黒印のみ(天下人=尊大=朱色という観念から自分は黒を使用したのだろう)


◆ 書状の書留文言に注目
「恐惶謹言」:目上の人などへの丁寧な言い回し
「恐々謹言」:対等な関係

◆ 脇付
「人々御中」というと、強い敬意が入っている。

◆ 宛先の位置
最後の日付の部分の月の位置より相手の名前を低く書いていると、上から目線、など。

◆ 相手が上で敬う呼称→ら軽んじる呼称への段階は: 様→殿→とのへ





國學院大學博物館
常設展:
考古 「祭祀遺跡に見るモノと心」展示ゾーン
神道 「神社祭礼に見るモノと心」展示ゾーン
校史 「國學院の学術資産に見るモノと心」展示ゾーン

企画展:
戦国・織豊期の古文書―國學院大學学びへの誘い―(渋谷)
(会期:平成26年10月18日(土)~11月8日(土))


展覧会名 戦国・織豊期の古文書
開催期間 平成26年10月18日(土)~11月8日(土)
10:00~17:00(入館は16:30まで)
※10月19日(日)は休館
※10月26日(日)は10:00~16:00(入館は15:30まで)
会場 國學院大學博物館 (渋谷区東四丁目10-28)
入場料 無料
http://www.kokugakuin.ac.jp/event/manabi14_5.html

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2014.10.18 Sat | Art| 0 track backs,
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