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三井記念美術館「東山御物の美」 / ”個人”が”国宝”を持つということ 
三井記念美術館の次回出展作の中に、国宝(個人蔵)というのがあると知り、
ちょっと驚いた。


そもそも国宝を個人が手に入れることは可能なのか?

個人で国宝を持つのはしんどくはないのだろうか。
国の宝なのだし。

普通ならトーハクに寄託してしまいそうなケース。

保存状態など、博物館の入念な手入れに比べて劣ったりはしないのか?


本展に関連する”開催前レクチャー”を聞きに行った際、
Q&Aのコーナーでうかがってみた。


板倉聖哲先生の回答に納得。


●個人といっても、大体家族の2、3代前の人が手に入れたケースとなる。
(某美術館の初代がかつて購入しようとしたとき、それなりに鑑識眼を蓄えてから購入するよう翻意させられた
といったエピソードもある。つまり数世代前であれ、ハードルは決して低くはなかった。そしてそれなりに造詣を深めてから購入された流れ。)


●個人蔵のものの保存状態は極めて良い。作品にとって年40日といった展示が以下にダメージを与えるかがわかる。
展示という行為ほど作品に害があることはない。
そこへ行くと所有する個人の場合、xx年に1度しか実物を取り出してみない、といった話もある。
実際、1週間という短期間限定でこのほど展示される徽宗の「桃鳩図 」(個人蔵)の保存状態は圧巻で、ため息が出るほどとのこと。

*そういえば、市川猿之助さんも同じことおっしゃっていた。
コレクションの浮世絵は、劣化を恐れて滅多見ない、と。


●個人蔵と言っても、中には寄託品も含まれているが、その一方で
確かに実際に個人が手放さず独自で管理しているケースもある。
それは往々にして、その家の誇り・名誉などの理由からである。



俗っぽい質問で、恐縮しながらうかがったのだけど、
普段余り聞くことのない展示の裏側の話を教えて頂けて感謝。
背景を知ることで、鑑賞の幅も広がるし。

**

三井記念美術館
www.mitsui-museum.jp
次回特別展「東山御物の美―足利将軍家の至宝―」
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2014.09.20 Sat | Art| 0 track backs,
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