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遺髪入り、風景画あり、指輪って広い:「橋本コレクション 指輪」
まるで人形の髪の毛?と見まごうような鈍い光を放つブロンド色の髪の毛は、エドワード4世の遺髪だという。
丹念に梳かれ、束ねられて指輪に収まっている。

国立西洋美術館で開催中の指輪展でのこと。


つくづく指輪にも、用途はいろいろあるものだ。
単なる装飾用だけでなく、様々な思いを封じ込めたその存在の多様さを実感した次第。


身近に置いておきたい美術感覚のもの、呪術的なもの、記念のメッセージが入ったもの、宗教的なもの、など様々なバリエーション。

浮彫の横顔のダンテは確かな輪郭に縁どられていた。

指輪に描かれた十字架は、ペンダントに比べてどこか秘めやかな匂い。

マハラジャと題したカラフルな指輪をのぞき込む。インド人のまっすぐな瞳から目が離せなくなる。

古代のリングは神話を描いたものも多く、ニケやディオニソスが、技巧の限りを尽くして彫られている。

ローマ観光地の連作指輪も壮観。
景色を見ながら、あ、これはコロッセオ、これはフォロロマーノ、などすぐにわかるその精緻な筆さばき。


むろん、名だたるブランドによるキラキラの宝石が散りばめられた品もたくさんあり、
華やかさに惹かれた多くの人たちが、ガラスケースから動けずにいた。


展示数は絵画も含めて350点。
小さい品だけに、量が多い。
コレクターの橋本氏の狙いもそれだった。

戦後の焼土に、なるべく多くの展示物を見せたい、
スペースを考えれば、それには極小であることがカギになる。
そして指輪の収集、という発想。
そんな思いも感じつつ鑑賞した。


2時からは能澤慧子先生(東京家政大学教授)の「ファッション史のなかのジュエリー」も拝聴。
絵画の中のドレスの変遷で時代がわかる、そんなヒントを頂いた。

今まで何気なく見ていたナビ派の絵の女性たちは、そういえばネグリジェのような姿だった。

硬い出っ張った白襟の中世のドレスから、襟とデコルテを見せる組み合わせを経て、デコルテ全開という流れや、
背中で紐組にして、簡単に着脱できない仕掛けにすることによる見せかけの貞節さなど、
これまで無意識で目にしていたスタイルは、理論的に説明がつくということを知った。

*****

展覧会名:橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き
会期:2014年7月8日(火)~9月15日(月・祝)
開館時間:午前9時30分~午後5時30分         
毎週金曜日:午前9時30分~午後8時
(詳細はHPにて)
http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2014ring.html
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2014.09.08 Mon | Art| 0 track backs,
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