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頂いたメールから : ”大人の”夏休みの自由研究
夏休みの自由研究。
それも、”大人”の。
それぞれの夏休みの過ごし方があり、感じ方もさまざま。
興味深く拝見した。

以下、メインページ経由頂いたメールから(掲載許可受領済み)~

* Email from SSさん

件名: 夏休みの自由研究


横浜トリエンナーレの記事、興味深く読ませて頂きました。
面白そうだとは思っていたのですが、他県からだとちょっと遠いなぁと感じてしまって、パスしちゃいました。
このあと、時間を見つけて行こうと思います。

代わりに行った自由研究活動のご報告。

まずはサントリー美術館のボヘミアングラス展。
猛暑の日々にうんざりし、ガラスを見れば少しでも涼しい気分になれるかも、などといういい加減な動機。
で、どうだったかというと、整理された展示で14世紀からの変遷が良く判り、かつ予想外のものが沢山あり、見応え十分でした。

僕は、工芸ガラスというと、江戸や薩摩の切子しか思い浮かばなかったのですが、ボヘミアンのそれは、もっと幅の広いものでした。
考えてみれば当たり前の話で、現代の切子は回転工具あってこそ。何百年も前ににそんなものがあるはずもなく、主流は絵付け。

彫刻技法は16世紀後半からだそうですが、まだ回転工具は無く、(おそらく)彫刻刀の様なものによって彫り込まれたもの。
とはいっても木や石に彫るよりはるかに難しいはずで、そう考えるとなかなかに驚嘆すべき細密彫刻もありました。

意外だったのは、不透明な色ガラスの多さ。
正直、せっかくの美しい透明ガラスをなぜ陶器やプラスティックの様にしてしまうのか不可解でしたが、
会場出口にいたモーゼルガラス販売店の方の話では、一部には19世紀ヨーロッパで人気のあった日本の陶器の影響もあるのでは、との事でした。
なるほど、、ありそうな話ではあります。

他にも、共産主義時代の、筋肉隆々たる労働者の絵が彫られた作品や、器ではなく現代美術(オブジェ)も沢山あったりと、
僕の勝手な思い込み(=切子)を良い意味で裏切ってくれた展覧会でした。


もうひとつは、KITTEの上にある東大博物館。
ここは今まで何度も行っているのですが、いつも出張の合間などの駆け足だったので、今回はじっくり観ようと。

沢山ある剥製や骨格標本はパスして、一番観たい機構模型へ。
これは、たとえば、回転運動を上下運動に変換する様な「メカ」の様々なアイディアを形にしたものですが、
何となく見ただけでは、どう動くのか理解できないものが多くて、それを少しでも理解するのが、機械工学出身の僕の今回の課題。

結果、理解できたのか? まあ半分もできませんでした。

もうひとつは、数理曲面の立体模型(石膏製が多い)。
これはもう、何を意味するのか何の役に立つのか、さっぱり判りませんが、どれも不思議に美しい。
思わず、色々な方向から眺めたくて、キョロキョロ、ウロウロしてしまいます。不審者だ。

とまあこんな感じですが、両方の展覧会に共通して感じたのは、(陳腐ですが)手仕事の重み、でしょうか。
特に東大の展示物からは、当時の東大生たちの、頭の中のイメージと紙の上での理論を具体的な形で確認したい、という思いが伝わってきます。
今なら、どちらもPC上で簡単に計算できて、そのまま模型にすることも可能ですが、当時はどれだけ大変だった事か。

昔は良かったとは言いません。
世の中の仕組みがほとんど眼に見え、手で触れられた当時と、情報データで支えられた現代と、成り立ち方が違いすぎます。

でも、こういう知の系譜、蓄積を知っておく事は重要でしょう。
そう考えると、東大の展示には、もう少し説明がほしいと思いました。
そうすれば、もっといろいろな人に見てもらえるのでは?

p.s. ボヘミアングラス展、お薦めですよ。
詳しくは書きませんでしたが、現代オブジェ群もなかなか見応えあり、です。

以上



KITTEの東京大学総合研究博物館には、何度か行ったことがあるけれど、私は機構模型にはあまり興味を抱かず。

代わりに、行くたび驚くのは、剥製や動物骨格標本など。
小動物の繊細な肋骨の繊細な優美さや、グロテスク系動物の中に見出される到達地点ともいうべき機能性に感心したり。

突っ込みどころも満載で、丁寧に見て言ったらキリがない。
圧倒的なバリエーション・量で、これが一大学の所蔵だなんて、さすが東大。

大学独自の収集品だけでなく、寄贈品もあるようだ。
そういえば、東京国立博物館の展示も、「寄託品」のタグが目につく。
やはり一流のところには一流のものが集まるのだなぁ、などと下世話な私は納得するのだった。


サイトを見たら、今ならマリリン・モンロー旧蔵真珠ネックレスが出ているようだ。
また近いうちに、行ってみようかな。


KITTEの東京大学総合研究博物館:
http://www.intermediatheque.jp/
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2014.08.19 Tue | Art| 0 track backs,
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