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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
モデナのドォーモの説教台に描かれた最後の晩餐
いよいよ念願のモデナのドォーモ(大聖堂)と対面。
くだんの説教台に近づいて、望遠鏡出動。

中央には最後の晩餐が彫られていた。


「最後の晩餐」比較が好きな私。
同テーマをもとに描かれた世界の名画/浮彫のブックレットをもっているが、
その中でぼんやりこの浮彫を見た記憶がある。
これか、この大聖堂に帰属するものだったか。


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そのブックレットを見る限り、これが作製された12世紀頃までは、最後の晩餐の構図としては

・円卓の半分から上に全員座る
・テーブルの手前にひとりユダだけが座る
・長方形のテーブルの奥側に、全員が一列で並ぶ(本浮彫の構図)

この3パターンがほとんどのようだ。
最後の描き方は、その後ルネサンス期にもダヴィンチらが採用している。


その後14世紀には、ジョットやドゥッチョらが描いたように、テーブルを全員がぐるりと囲むパターンが散見されるようになる。
後姿の光輪をどう描くかに、みな腐心したようだけれど。



それにしても、見事な作品。
さっそくいつものようにユダ探しをしてみる。

イエスの膝の上にもたれかかるようにした男の頭上に光輪がないので、これか、と思ったが、
手に何も持ってないから違う。
パンを食べさせてもらっている男(光輪はあるが)がユダのようだ。


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それが証拠に、金袋を携えている。
イエスが、使徒のひとりにパンを与えて裏切り者を暗に指し示すという場面があり、
その場面を描いているもののようだ。

テーブルの手前には鱗付きのリアルな魚!

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これを創作したのは、アンセルモ・ダ・カンピオーネ。

1180年のこと。
当時職人は無記名が基本で、(時代は下って1500年頃の仏タピストリー”一角獣”ですら作者名は記されていない)
そんな中、自分の名前を明記したということは自信あってのことではないか、とも言われている。


衣服やテーブルクロスの襞が見事。
丹念に彫られた人々は表情がとても豊か。
内面性に切り込むようなルネサンスの萌芽をすでに感じる。


彩色が今も残っていて、温かみがあり、
整然とした静かな美しさがある。

P1590291.jpg



こちらの説教台全体のテーマは、キリストの受難。
その他の浮彫を見てみる。

スクロヴェーニ礼拝堂のジョットの絵でも有名な「ユダの接吻」、
内面の葛藤までもがうかがわれる表情。

P1590377.jpg



「弟子の足を洗うキリスト」、
イエスの光輪に、朱が差してあるように見える。

P1590374.jpg



「笞打ち」「十字架の道行き」。
木彫りという堅さに抵抗して、目いっぱい柔らかさを出そうとしているよう。
十字架を背負うイエスの首の垂れ方など。

P1590376.jpg


奥のアプスには黄金に輝く聖母マリアの戴冠の図。

P1590361.jpg


アプスに描かれた聖母マリアの戴冠はローマのモザイクなどでさんざん見たけれど
それらと比較して、明るい印象。

P1590357.jpg


金地が無地で広がる部分が多いので、輝きは強いけれど、
ローマのサンタマリアマッジョーレ大聖堂の方が、装飾全体としてはきらびやかだった。

P1590363.jpg


聖母マリアの戴冠は、こちらのパネルにも描かれていた。

1385年、セラフィーノ・セラフィーニ作。

P1590337.jpg



よかった、イベントが終了してくれて。
立ち入り禁止の縄が解除されなかったら、これらは全く見ることができなかった。



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2014.05.28 Wed | Travel-Italy| 0 track backs,
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