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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
モデナのドォーモの浮彫 序章
1099年に建設され、1106年に聖別されたというモデナの大聖堂・ドゥオーモは、
世界文化遺産というだけあって、それは大した貫禄だった。

もともとの設計はランフランコ。
その後、12世紀半ばにカンピオネージ家により翼廊と聖歌隊席の東側に手が加えられた、
と案内板にある。

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今回の旅はバスでしか行けない場所を3ヶ所含んでおり、
バスの便がない日曜日の過ごし方を考えあぐねた結果、電車でのみ行ける場所ということで
モデナ行きを決めた。

ただリスクもあった。
日曜日は聖体拝領などで中に入れない時間帯があること。
いつかアクイレイアでそれにぶちあたった。
ジロのゴールを見るため途中下車して行ったため、聖体拝領終了まで待つ時間がなく
少しだけ見せてもらって移動した苦い思い出がある。

今回はサイトでばっちり調べて、15時以降はOK、15時から17時までの間がお勧め、とあったので、
心強く思いつつ現地に向かった。

ところが、大聖堂に近づいたとき、中から讃美歌が聞こえてきた。
なんかいやーな予感。

果たして入口は入れたものの、数メートルのところに綱が張ってあり、
一般立ち入り禁止、とのこと。

讃美歌の集いのような祭典が行われ、正装した家族連れで中は溢れかえっていた。
いつ終わるのだろう、と思いつつ、とりあえず外に出る。
こういうイレギュラーな祭典のようなものまではサイトに案内が出ていなかった。
やられた。

仕方ないので裏側に回り、外から愛でることにする。
上を見上げると、、、

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むむ・・?なんか”変わったもの”が見える。

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小ぶりのメトープ(浮彫石板)なのだけど・・・

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人の姿のようだけど、なんかちょっと大胆な雰囲気??

この高さでは、肉眼で把握するのは無理。
望遠鏡出動。

おやおや、なんだかアラレもない格好の人物。
一体女性?男性?

あとでネットに当たったところ、ここのサイトで訳が分かった。

The Hermaphroditeとある。
つまり、雌雄同体。

P1590128.jpg


だから、こうなる訳か・・・

上記のサイトには、この浮彫とほぼ同一でありながら、もっと古びたものが掲載されており、
付属の博物館所蔵とあるので、
私が見たものは後年差し替えられたものらしい。
オリジナルは1100年とのこと。

時間つぶしの建物裏側鑑賞で、いきなりインパクトのあるものを見てしまった。

ほかにもこんなのや
(上記サイトによると、魚を食べる者、という題名だった。)

P1590144.jpg


珍獣と人間が描かれたようなものも。

P1590151.jpg


こうして時間をつぶしつつも、聖堂内の讃美歌はまだ続く。

今度は逆側の側面を鑑賞する。

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こちらはそれぞれが小さく仕切られた浮彫になっているのだけど、かなり表情豊か。
中でもこれが気に入った。

頭でっかちな馬上の人。

P1590107.jpg

やけに凛々しい大人顔。
でいて、体躯は子供っぽい、このアンバランス。

そして馬も、下半身が人魚のようで、上半身と下半身が同じく不一致。


いやはやスゴイ。
こうしたファンタジーをまったく力むことなくクリエートすることができた中世の人々。

現代人が、抽象画とかシュールレアリズムとかフォービズムとか、名称をつけつつ
あれこれ苦労を重ねて芸術品を生み出してきたのに比べ、
素直な感覚で、当時の人たちはいとも簡単に生み出すことができたようなフシがある。

みずみずしい感性の源流が、神話に馴染んだ生活ぶりからくるのか、
はたまた、素朴な生活ぶりゆえなのかはわからないけれど、
彼の人々は、現代人にはない煌めくセンスを宿していたのだなぁ、と半ばあきれ果てながら名品の数々を楽しんだ。



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2014.05.25 Sun | Travel-Italy| 0 track backs,
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