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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
ラファエルの故郷にて ラファエルを見守る父の像を発見
今回の旅では、ルネッサンスの巨匠ラファエッロ・サンティの故郷ウルビーノを訪ねた。

これまでも行きたいと思いつつも果たせなかった理由は2つある:

まず、アクセスの悪さ。
国鉄駅はないのでペーザロからバスで行くしかない。

次に、彼は若くして故郷を離れたため、作品はほとんどこの地にはない。

そのためウルビーノに行っても、単に生家がある程度、そんなふうにも聞いていた。

それでも、行けばなにか足跡があるのでは、などと思い、
なんとなくあこがれを持っていた。

例によって、下調べは最低限。
ガイドブックにあるものを確認しました、という旅は避けよう。
本で読んだのか実際に目で見たのか、あとで記憶がごちゃまぜになる危険もあるし。

今までどこからともなく耳にした情報を記憶の底から救い出しながら歩くことにする。
逃してしまうものがあるかもしれない。
でも、先入観なしで意外性を楽しむのもいいだろう。
第一それほど大きな町でもないのだから、それほど多くの物を見逃すとも考えにくい。

行って驚いた。
昔の風情がそのまま残って、想像以上にラファエロの息づいが深く残る町だった。

まずはローマ広場を目指す。
ラファエロの大きな銅像があると聞く。

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見覚えのある自画像のとおりの顔立ち。

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絵の具が置かれた格好のパレットや筆がやけにリアルで、今にも絵を描きだしそう。

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台座部分には浮彫。
教皇の絵を描くラファエロの構図だろうか。

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足元には子供たちの彫刻もあり、

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「RAPHAEL VLBIANAS」と書かれている。
VはUと読まれるので、ラファエル・ウルビアナスとなる。
ウルビーノのラファエルという意味だろう。

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ローマ広場にラファエル像がある、というのは聞いたことがあったけれど、
周囲をぐるりと胸像に囲まれているとは知らなかった。

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どおってことのない、よくあちこちの公園にあるような地元出身者の胸像なのだろうと思いつつも、
急ぐ旅でもないからひとつずつ彫刻を見て回ろう、そう歩き出したら -
ジョヴァンニ・サンティつまり、ラファエルの父の像があった。

父もまた一流の芸術家であったと聞く。
息子と違っていかめしい顔つきだ。

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父の像は向かって左側の方に置かれており、父の目線に立ってみれば、
息子を木の陰から見守る格好になっている。
意図されたロケーションではなかろうか。

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その他ウルビーノ近郊出身のブラマンテの胸像も。
彼の建築図がラファエルの生家に置かれており、
ウルビーノを歩いているとブラマンテの名前がチラホラ出てくる。

ダヴィンチの最後の晩餐が飾られているミラノのサンタ・マリア・デレ・グラーツィエ聖堂を設計した人だ。

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さらなる驚きはピエロ・デッラ・フランチェスカ。
これには意表をつかれた。
こんなところで出会うとは。

その後町を歩いて案内板などで知ったのだが、彼はウルビーノに滞在したことがある。
そういえば、ウルビーノ公夫妻 の肖像などの作品も残している。

そんな関係で彼の足跡もウルビーノには残されていて、
それは意外な発見だった。

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それにしても、ラファエロの像とともに父やピエロ・デッラ・フランチェスカの像もあったとは
これまで耳にしたことがなかった。

多少なりともゆとりのある旅、そしてガイドブックを手にしない旅は、ときに新鮮な驚きを与えてくれる。



* * * * *

◆ イタリア/エミーリア・ロマーニャの旅 エントリー一覧:

・ ラファエルの故郷ウルビーノにて ラファエルを見守る父の像を発見
・ ハイライトはウルビーノにあるラファエロの生家
・ ウルビーノの城門に上る
・ ウルビーノの画材屋さんで見つけたこんな演出 vs 秋葉
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・ リミニ/2世紀の外科医の家 その3 再現編
・ リミニとウルビーノ/マラテスタ寺院と国立マルケ州美術館の十字架像

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・ モデナのドォーモの説教台に描かれた最後の晩餐
・ モデナのドォーモ正面に彫られたアダムとイブ・ モデナの大聖堂壁面に描かれたカインとアベルの物語(前半部分)
・ モデナの大聖堂のカインとアベル続きとノアの箱舟

・ 海と古代と中世と。豊かなアンコーナ
・ サンタルカンジェロ・ディ・ロマーニャで見た至宝のような博物館
・ 終章 サンタルカンジェロ・ディ・ロマーニャの家並み


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2014.05.24 Sat | Travel-Italy| 0 track backs,
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