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江戸東京博物館 『大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観~』 2014年3/18~5/11日 @東京都江戸東京博物館
■ 徳川秀忠の自筆画や本物の御朱印状が見られる展覧会

徳川秀忠の自筆画や本物の御朱印状が見られる展覧会が開催されている。

場所は江戸東京博物館。

他にもお宝がザクザク。
ツボだったのは、洛中屏風。
よーく見てみれば、川で気持ちよさそうに泳ぐふんどし姿の若衆の姿があったり。
なんとも生き生きしていて微笑ましい。

地図マニア必見の『大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観~』。

先日本展のブロガー内覧会で許可を得て写真撮影してきた秀忠の自筆画や、
御朱印状、洛中屏風の様子など、少々長くなるので以下折りたたみます。


展覧会公式サイト:
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/special/2013/03/index.html

展覧会名:
『大江戸と洛中~アジアのなかの都市景観~』
会期:
平成26年3月18日(火)~5月11日(日)
会場:
江戸東京博物館 1階展示室 (東京都墨田区横網1-4-1)
開館時間:
午前9時30分~午後5時30分(土曜日は午後7時30分まで)
*入館は閉館の30分前まで。
休館日
5月7日および毎週月曜日(ただし、4月28日・5月5日は開館)

構成:
プロローグ
1章 世界の都市
2章 洛中への系譜~都市の中心と周辺~
3章 将軍の都市~霊廟と東照宮~
エピローグ ~都市図屏風~

(以下折りたたんで表示)
(続き)


東京都江戸東京博物館で開催中の「大江戸と洛中」展は、
同館開館20周年記念特別展の最終シリーズ。

それだけに、気合が感じられる全力投球の内容となっている。

内覧会でうかがった担当学芸員さんのお話によると、
世界とのつながりの中で日本をみようという意図に基づいた企画展とのこと。

都市の博物館という特色を生かして、日本の景観を俯瞰的に見せている。

本展の「大江戸と洛中」というキャッチフレーズに惑わされ、てっきり江戸vs京都の図かと思ったが、
副題「アジアのなかの都市景観」が示す通り、アジアの中の位置を主眼に展開している。



◆ 展示から学んだこと

まずは中国や韓国、日本の地図が数々並ぶ。
日本画都市の作りを、中国等近隣国の書物により、学んだというのは驚きだった。

江戸時代に製作された中国、韓国の地図は国内にはほとんどなく、借り入れ用のものを探し出すのに苦労した、などというエピソードも披露された。


数百年前の北京全図などを見ても、整然とした方眼区画が見られている。
都城制の姿は、素人が浮かべる北京のイメージとはかけ離れ、
まるで江戸か京都の図面のよう。

こうした都市理念が、中国に存在していたことは知らなかった。


◆ 興味をそそられたもの

ところで上記の展示を見て、さらなる私の興味をそそったものは、その展示方法だった。

大判の地図の展示に際しては、吊るしたり立てかけたりして垂直にして紙に負担をかけることなく、
一方で平面に置いて見づらくすることもなく、
斜めの角度をつけるという折衷案を採用し、はかない紙を保護しつつ鑑賞しやすさを追求していた。

トーハクでも、本を見開きにする際に背表紙を保護しつつ展示するための工夫が見られるけれど、
上記の大判の地図の場合は、上部に巻きをつくって陳列。



上下、或いは左右に大判のマグネットらしきものを置いて
紙への負担を軽減している。

細やかな配慮が感じられる。



◆ こんな発見


入館して、まず目を引いたのは、十二都市世界図屏風(重文・南蛮文化会館蔵)。


似たものを見たことがある。
三の丸尚蔵館の「美を伝えゆく」展で昨年秋に見た八曲一双の「萬国絵図屏風」だ。

あれはインパクトがあった。
世界地図の脇に描かれた各国のカップルの絵には、それぞれの国の特色を描き出そうと衣装や表情を工夫し、
苦労の様が見ていて面白かった。

もう片方の隻にはポルトガル、ヴェネチアなど海洋都市の俯瞰図。
例えばヴェネチアは、島を貫くグランカナルやカタツムリのような街並みがうまい感じで表されていて、
なるほど、と思わせた。

今回の屏風にもヴェネチアが似たような手法で登場し、共通した部分が多々。
こうした南蛮的な世界屏風はあちこちにあるのだろうか?

学芸員の方に伺ったところ、
「日本に3つだけ」なのだとか。

今回借り受けた南蛮文化会館、三の丸尚蔵館との他には神戸市立博物館に蔵されているそう。
三の丸の方は、昨年展示をしたばかりで、保護の観点から展示の機会を制限するポリシーのため貸出しならず。
今回1点のみ、借り受けできたという。


◆ 私的ツボ

昨年トーハクの京都展で洛中洛外図を見たけれど、今回はどんなものがきているのだろう?と
楽しみにしていた。

南蛮文化会館からきていた同図は、小ぶりながらツボだった。



特に、金雲のはざまを流れる川を、ゆらりゆらり気持ちよさそうに泳ぐ赤フン姿の男衆の姿!
なんともほほえましい。

更に、二条城と書かれた左側には、南蛮人の姿も。

こちらの南蛮人は、それほどデフォルメされてはいない印象だ。

トーハクの「支倉常長像と南蛮美術」に出ている南蛮人渡来図屏風などは、
鼻を高く、背を高く、という意識が全面に出ていて笑いを誘う。

今となっては、ポルトガル人といえば北欧の人などに比べ、小柄な印象だけれど、
当時の日本人は、未知のポルトガル人の背丈や鼻の高さに気圧されたのだろう。


◆ 貴重なもの

大和絵の肖像画には似絵と(御)影の2種類がある聞くが、
こちらはいわゆる偉人の肖像画となる影に当たるのだろう。

徳川秀忠の肖像画。
サラリとした素朴な筆致。


そしてその秀忠自身の筆による書。
教養のあった人物だそうだ。

秀忠が描いた猿引の絵もあった。
猿引や猿回しの図というのが意外。
テーマとしては俗っぽい感じがして、なぜ秀忠がそのような図を描いたのか不思議だったけれど、
解説を読んで納得。
猿回しという芸能は、当時、悪魔祓いや厄除けとして重宝されたそうだ。



◆ その他の「ほほう」

スケッチのスタイルを取る「武州州学十二景図巻」。
うっすらと浮かぶようなタッチ。
狩野尚信のスケッチなんて珍しいものを見た。


朱印状と黒印状。
その名の通り、印が赤と黒になっていて、赤は公文書的な性質のもので、
黒い印の方は略式(薄礼でよい)書状という風に分けられていたと知る。
なんと、書面の重軽が色分けされていたとは!



「紅葉山鎮座稲荷額」
稲荷堂の額だそうだが、存在感がある。

狩野探幽(中央の普賢菩薩)・安信・常信作と聞いて驚く。
紅葉山東照宮の稲荷堂に掛けられていたそうだが、ただの稲荷ではあるまい。

なんでもこの東照宮、江戸城にあったと言われている。
なるほど、それで狩野探幽・・



「江戸城御本丸惣地絵図」

余りの大きさに唖然。
目玉の一つだ。
これを見ると、びっしりと建物が並んでいる。


そういえば、皇居・東御苑のガイドツアーで聞いた話と合致する。
今は芝生一面だけれど、当時は建物が林立し、全く異なる風景だったという。


もうひとつの目玉は、紅葉山東照宮御簾。

上部の龍、キリン、天馬、獅子の金具の模様が華麗で精巧なのだが、いかんせん、細部まではなかなか見づらい。

それを解消するため、壁に拡大図が掛けられているという親切な配慮。



私はこれの由緒書きの方を先に見てから御簾を目にしたため、
その価値が実感できたのだが、
御簾自体は、完全な形でとどめられ、あまりに保存状態がよいため、
パッと見ただけでは、古さが伝わりづらいかもしれない。

由緒書きには、伝来経緯が書かれている。

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2014.03.29 Sat | Art| 1 track backs,
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2014/03/30(日) 08:48:47 |
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