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日経新聞「私の履歴書」 小澤征爾さん
今月は、日経新聞「私の履歴書」を欠かさず読んでいる。
1カ月間語られるのは、小澤征爾さんの身の上話。

元旦の第一回目で、まず周囲の人たちへの感謝の気持ちがつづられていた。

オーケストラなしでは指揮者は成り立たないわけで、
それゆえの謝辞かと思ったけれど、読み進むうちに、
それだけでないことに気が付いた。

彼を支えてきた人の多さは圧巻。
恐らく音楽の才能だけでなく、人を惹きつける何かを持った人だったのだろう、と思わせる。
そうした人たちへの恩義も感じさせる内容だ。


屈辱を味わったN響事件にも触れられていた。
N響のオーケストラが若き小澤氏を拒絶し、ボイコットした話。

自分の未熟さを理由に述べるところは立派。
恨みつらみを書いてもおかしくない。


実際たまにいる。
憎くてたまらない人が世の中にたくさんいて、この機に乗じて恨みつらみを書き連ねる人。

以前あるスポーツ界の人物の回は、読むに堪えなかった。
これでもか、これでもか、と数回にわたり人を変えて、或いはたまに再び登場させて
こきおろし続けていた。

紙上で貶め入れられるのは、書かれた対象ではなく、
書いた(記者に語った)本人である、ということに気づかないらしい。


それに比べれば、小澤氏は周りの人たちへの配慮が感じられる。

裕福な家でもないのに欧州だ、米国だと飛び回り、
もしかしたら、世渡り上手のちゃっかり者で、野心家だったかもしれない。

だとしても、援助の手を差し伸べる人が確かにいたことが感じられる内容で、
決して、ひとりで立身出世しました、と傲慢に言い放つことはしていない。

この欄に登場するビジネスマンに多い、「俺がひとりでやった」的な言い分。
読んでいて呆れることもある。

このコラムは、控えめに語ってちょうどいい。
すごい人物しか出られない枠だから、もう出ただけでみんな知ってる、
その功績の偉大さは。

だからその先は、謙虚に語ることで、初めて、人間的にも素晴らしい人だったんだ、
と読み手は納得する。
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2014.01.18 Sat | Society| 0 track backs,
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