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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
竹内栖鳳展 近代日本画の巨人 @東京国立近代美術館
現在東京国立近代美術館で行われている「竹内栖鳳展 近代日本画の巨人」が、やけに新鮮だった。
山種美術館の竹内栖鳳展とも異なって、視点が変わると別物という感じ。

精緻な動物たち、和の佇まい、優しい眼差し、物事の本質をとことん追求しようとする姿勢、画伯の絵には、そんなイメージが強かったのだが、欧州の風景や海外からの絵ハガキなど、画伯の「洋」の部分に今回触れることができた。


海外の風景画は、明治に描かれたとは思えない。
ローマは永遠。今でもこのままだから。

古代と明治と現在、時空を超えたローマが目の前に。

こちらは羅馬古城図(クリックで画像)(京都国立近代美術館蔵)


P1320926.jpg


私が5月に撮影した写真が上記。
テヴェレ川の川面が写っていないけれど、画伯がキャンバスに写し取ったものに間違いない。

恐らく当時、周囲は見渡す限りの野っ原だったに違いないけれど、
存在感のあるその外観に、なんら変化は見られない。

AD130年代にハドリアヌスが霊廟として使用するために建設を開始したといわれるこの城は
1800年以上もそこにあるわけで、明治時代であろうが平成であろうが、その前の長い歴史に比すれば、
立ち位置はほぼ一緒ということになる。

ローマ時代に巻かれてしまえば、現代の幅がうんと広くなるような、そんな感覚。



そしてはるばる大英博物館から来日を果たしたビロード友禅の「ベニスの月」、及びその原画、栖鳳作「ベニスの月」(高島屋資料館)。


何故一体全体ビロード友禅が大英博物館などというなかなか手の届かないところに行ってしまったのか、
惜しい気持ちに包まれつつ、
布地の上で再現された見事な四代飯田新作氏の作品に見入る。

驚くばかりの精密さ。
布と糸で織りなす風景は、柔らかな下絵のタッチに比べ硬度は増すものの、
それはまた違った風合いを醸し出す。

シャガールの絵をもとに作られたタピスリーを見た時もそうだった。
素材の違うものの競演は華やかだ。

原画を追いかけるようにして、布の素材が同一の情景をめざし、そしてそれが織りなされたとき、
「最初」と「次」といった順序を超えて、それぞれがその風合いを生かしながら完成度の高いものとして
仕上がっている事実に驚き、感激する。


そしてこれもまた、私が見たベニスと一緒。


P1540545.jpg


サンマルコ寺院の建設は1000年頃か。
手前のドゥカーレ宮殿は800年頃に完成。

ともに今やヴェネツィアの顔。
それはおそらく明治時代も同じこと。


そして栖鳳がパリから投函した絵ハガキも興味深い。:栖鳳コレクション ヨーロッパ絵葉書(海の見える杜美術館蔵)のひとつにルーブル美術館の絵ハガキがあり、その一室、アポロンのギャラリーの絵ハガキを発見。


下記が先日撮ったアポロンのギャラリーの写真。

P1210624.jpg


絵ハガキを食い入るように見ながら、今年見たばかりのギャラリーの様子と頭の中で比較を試みる。
ガラスケースの位置に違いを見つけたものの、あとはほとんど大差ない。
壁面の肖像画も、恐らく一緒。


ここは、ルーブルの中でもひときわ煌びやかな一室。
栖鳳が、彼個人のテーストとはやや違ったかもしれないけれど、目を見張り、魅せられた光景を浮かべてみたりする。


今回、栖鳳展のあちらこちらで、ハイカラな栖鳳を見つけては、こんな感じで楽しんだのだった。
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2013.09.20 Fri | Art| 0 track backs,
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