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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
「奇跡のクラーク・コレクション-ルノアールとフランスの 絵画の傑作-」
■ ルノワールが描いたヴェネツィア


三菱一号館美術館の奇跡のクラーク・コレクション。

ブロガー・特別内覧会を訪れた。

奇跡、と言われるほど、門外不出のコレクションということで、
不意打ちの美を堪能すべく、パンフレットも、当日のスライドの絵も
熟視を避けたほど。

そしていよいよ対面。
ドキドキ。

ルノワールは、実に22点も来ているそう。

(ちなみに、以前訪れたカーニュ・シュル・メールのルノワールのアトリエは、こんな感じ。)

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いよいよルノワールの美女たちと対面。
百聞は一見にしかず。
女性の柔らかな表情を描いた作品の数々は、華やかで絶妙な色合いに満ちたものばかり。


が、個人的には「ヴェネツィア総督宮」(下の写真左)と「ナポリの入江、夕刻」に大いに惹かれた。
女性を描いたものより、意外性があったせい。


(館内の写真は、許可を得たうえでのものです)
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ルノワールの艶やかな女性に会える、というのは、ある意味想定内。

一方ヴェネツィアは、完全なる不意打ちだった。

ナショナルギャラリーなどで、モネのヴェネツィアは見たことあるけれど、ルノワールの手による水の都が見られるなんて。

会場で見た、ドゥカーレ宮殿を望むヴェネツィアは、丁度この角度だった。
11年ヴェネツィア旅行にて、ドゥカーレ宮。(総督府)


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キャンバスの上には、黒い影なるゴンドラが並び、リズム感に満ちている。
でも、帆を張ったヨットが散見され、あれ、私が見た光景とはちょっと違うぞ、と思った。

なるほど、改めて写真を確認すると、モーターボートの姿がちらほらと。
当時はモーターボートの代わりに、現実に白い帆を張ったヨットがあちこちに浮かんでいたのだろう。


さらにナポリの入り江の絵の薄桃色の空の色合いが、なんとも絶妙で。
まろやかな色の交響曲にうっとりしてしまう。
遠くにはエトナ山が煙を上げて噴火中。

ナポリは未知の街だけど、絵の上では、ニースの入り江のような活気。
右手に作業をする人々。
馬車が走り、大まかな線しかひかれていないのに、細かい動きが見て取れる。


ただし -、ゴッホはなかった。
本コレクションの主クラーク氏は、固い線はお好みでなかったか?

さらにセザンヌもなく。
ということは造形的なものより、圧倒的に麗しく溶け合う色彩への興味が先行していたと思われる。

~~~~~~~~~

その他、クラコレのインプレッション


● 驚愕、カサットの「闘牛士にパナルを差し出す女」。カサットが母子の図でなく、黒と赤の闘牛士!!

● コローのルイーズ・アルデュアンが、コローっぽくない。ルネサンスですか?、みたな。

● モネの「小川のガチョウ」もレアだった。動物を描くモネ、あまりイメージがない。小川がどこまで続いているのか画面全体が渾然一体。

● 「エトルタの断崖」(モネ)の空の蒼さと脇の「ヴェネツィア、総督宮」(ルノワール)の空の蒼さに、コレクター、クラーク氏の好みを見る。

● エトルタ部屋に耽溺。

● レイデン近郊、「サッセンハイムのチューリップ畑」に、背景は違うけど、いつか見たキューケンホフの景色が鮮やかに浮かぶ。

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● シスレーとピサロは、相変わらず判別不能。ナショナルギャラリーでその差異を把握したと勘違いして以来、名前を見ずに当てっこしてるけど、もうどちらがどちらだか。

● ジェロームの「蛇使い」。描かれている床はモスク、イスタンブールのトプカプ宮殿の壁らしいけれど、壁の剥げ落ちまで描かれて、なんとも写実主義。

● 「菊」のジェームズ・ティソが、実はイギリスに憧れて改名した名前で、もとはジャックという名のフランス人だったとは。(By三菱一号館美術館・主任学芸員阿佐美淑子さん)フランスかぶれならぬ、イギリスかぶれのフランス人、これもレアだ。

● 強靭な生命力で菊は煤煙のパリで意外にもてはやされていたとか、ティソが徳川明武の絵を描いていたという事実。(By三菱一号館美術館・主任学芸員阿佐美淑子さん)

● ブグローの「座る裸婦」を見て:クラーク氏、きっとアングルも好みではなかったか?

● ブグローの「座る裸婦」、絵の中の手間の水溜まりに、カラヴァッジョの「ナルキッソス」との対比を感じる。水面にそっぽを向く彼女、私は自分の美しさになんて、興味ございませんのよ、という感じ。

● 「鳥と少女(アルジェリアの民族衣装をつけたフルーリー嬢)」の表情や、衣装の風合いにうっとり。白亜の西アフリカ風の建物に入る様子は、彼の創造か。

● ルノアールの「金髪の浴女」の髪の毛に、パステルカラーが溶け合う。永遠のチャーミング。


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「奇跡のクラーク・コレクション-ルノアールとフランスの 絵画の傑作-」http://mimt.jp/
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2013.02.14 Thu | Art| 0 track backs,
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