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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
シャガールのタピスリー展 二つの才能が織りなすシンフォニー @渋谷区立松濤美術館
過去に見たタピスリーといえばー

フランス西部アンジェのお城にある黙示録の15世紀のタピスリー。
あるいは去年見たロンドン ヴィクトリア&アルバート美術館のボアと鹿の狩猟のタピスリー。(写真)

P1150174.jpg


それらはいずれも色褪せていたり(年代ものだから当たり前なのだが)、
照明がほの暗かったりして、
評判ほどにはピンとこなかったので、
タピスリーと聞いても正直、それほど私は萌えない・心躍らない。


けれどそのタピスリーがマルク・シャガールのものと聞けば、
やはり興味がわいて、行ってきた。
渋谷区立松濤美術館のシャガールのタピスリー展。


部屋に一歩足を踏み入れる。
あれ?これは壁画じゃない?
少なくとも布じゃないよね?

一歩、二歩と近づいていく。

うそ?なんとタピスリーだ!


余りに鮮やかな色。
織物とは思えぬ繊細な図柄。

シャガールの絵画をイヴェット・コキール=プランスさんがタピスリーにトランスファーしたものなのだが、
その再現性が半端ではない。

色鮮やかに、シャガールの筆あとまでもが忠実に移し替えられていた。

タピスリーがここまでできるとは。。。ため息。


1Fでは、ビデオ上映によりその作業の様子が映し出されていたけれど、
気の遠くなるような根気がいる緻密な作業。

展示室には、実際に使用された型紙の展示もあり、
タピスリー製作を担当したイヴェットさんの細かい判別記号が書き込まれていた。

ここまでの作業をこなすなんて、
シャガールという芸術家への思い入れがなければなかなかできるまい。


P1280099.jpg


出品作品の多くが個人像のせいか、パンフレットに写っている作品は控えめで、
大型のすごい大作の数々はパンフには出ていない。
行ってみなければわからない。


天井が高いから、あれだけの大型作品が掛けられる。

「平和」や「アルルカン」などは特に、壮大な作品なので、上部の方をよく見るために、
1Fのテラスに移動した。
テラスから「平和」を見てみたら、B1で見た時に気づかなかったピエタらしき構図も見えた。


「平和」のタピスリーには、ピエタのほか、群像の中に磔刑やキリストの絵も混ざっていて、
実はよく見ると一部宗教画。
となれば、下に描かれた蛇はアダムとイブを彷彿とさせる。

講演会の前と後に展示を見たのだけれど、
最初にバイオリンが描きこまれているのが多いのに気が付いた。


ボローニャで訪れたサン・ドメニコ聖堂のグイード・レーニの絵にも、
バイオリンなど楽器が頻出していたのを思い出す。
教会番のおじさんの説明によると、レーニは音楽家一家だったからだよ、と。

先日のブリヂストン美術館の展示も、ドゥビッシーと絵画がテーマだった。

芸術というくくりで、音楽と絵画がときに交差する。

その後講演会を聞いて、謎が解けた。
シャガールの場合、バイオリンはユダヤ人を表すモチーフとして
使われたそう。


さらに、シャガールの本名が Moishe=モーゼであり、
マルクというのはパリ移住後に、尊敬する版画家の名前をとって改名したことも知った。


第二室のニースの情景シリーズも好き。
あの海岸の湾曲具合、海の青さ、そして浮かぶ魚や花や恋人たち。

なかなかレアな展覧会だった。
そして、タピスリーのよさも実感した。
特にあれほどまで手が込んでいることを知っただけに。


聞いた講演会は下記:

1月12日(土)午後2時~   
荒屋鋪透氏(ポーラ美術館長) 
「シャガールと旅する」


渋谷区立松濤美術館URL;http://www.shoto-museum.jp/05_exhibition/index.html#A002

本展は:~2013年1月27日(日)
会期中の今後の休館日:1月15日(火)、21日(月)

そして入館料は、感激の!300円。
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2013.01.12 Sat | Art| 0 track backs,
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