FC2ブログ
日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
フランスのランス(Reims)に行きたい!
お正月のBS旅番組のうち、女優の寺島しのぶさんが画家フジタ(藤田嗣治)の足跡をたどって、
フランスのランスを訪れるものがあった。


ご主人がフランス人だから、という成り行きでこの人選、と思ったが、
いや実は、寺島さんがこの番組のレポーターとなることには意義があった、と番組後半で知る。


その昔ジャン・コクトーを伴って一時帰国した藤田氏が
日本文化の代名詞として案内したのが歌舞伎であり、
その際に寺島さんの曽祖父  尾上菊五郎氏と対面していたのだった。

滞在中に目にしたものを、コクトーは、フジタとの合作本としてこの世に送り込む。


番組の中で、くだんのジャン・コクトーと藤田の合作本を手にする寺島さん。
そのうちの1ページを見て、「あ、鏡獅子だ」とつぶやく。

そう、この本の挿絵に出てくる歌舞伎の鏡獅子を演じている役者こそが、
尾上菊五郎氏だったのだ。

異国で、曽祖父の絵と対面するという、なんとも洒落の効いた演出。


フランスのランスに藤田が建立した平和の聖母礼拝堂(la Chapelle Notre Dame de la Paix)
があるというのは、以前そごう美術館の展覧会で知っていたのだが、今回この番組を通じて、
そこに至るまでの過程や、建立にまつわる様々な労力を知ることができた。


この番組、およびパリの郊外暮らしで知ったトリビア:


● 藤田は地元の子供の要請で、壁画にネズミの絵を描き足した:
この壁画を描いていた時、遊びに来ていた地元の子供に藤田は尋ねる。
「この絵の中になにか欠けているものはない?」
鼠、という答えを受け、彼は即興で群像の右下隅にネズミを描き足したのだった。

● 礼拝堂の磔刑図の右に位置する群衆の中に、自画像を挿入していた。

● その対面にある聖母子図右端には、群衆の中に妻君代さんの絵を挿入していた。



~~~~~ よみがえる幻の壁画たち レオナール・フジタ展 - そごう(2009) プレイバック ~~~~~


あれは09年。
喪失したと思われた壁画(キャンバスに壁用に描かれたもの)が再発見され、修復の上
日本のそごう美術館にやってきた。


金色のカタログが素敵だった。表と裏が対になっている。

P1270703.jpg


裏は、表の絵から、人物像を取り除き、
花の部分だけ残したものだった。

P1270702.jpg


藤田の自画像がある部分は、カタログでいうとここ。
礼拝堂の磔刑図部分。

P1270704.jpg


妻君代さんは、この対面の壁にある聖母子図の右脇に登場するのだが、
そごうの展示に出ていた下絵には、妻の姿はない。
(下の図。著作権もあるので、きちんと見えるかたちでは掲載しないことにする。)

下絵になかった自身と妻の絵を、実際に礼拝堂のフレスコ画に取り組む際、
遊び心ですっと挿入したのだろうか。

P1270706.jpg


さらに知人は、藤田は生前、なんでも手作りしていた、
という君代さんの証言を人づてに聞いたという。
確かに、この展覧会では、手作りグッズがさまざま展示されていた。
お皿とか、木箱とか。

今は彼のアトリエでそれらを見ることができる。

P1270708.jpg


本展は、取り戻された壁画が目玉だったが、礼拝堂のことも知ることができてよかった。
ステンドグラスや壁画の下絵などが展示されていた。

藤田の絵画は見る機会があるけれど、こうした礼拝堂の下絵、手作り品、あの幻の壁画は
滅多に見ることはできないだろう。

カタログを購入する価値は十分あった。

この展覧会に連れて行ってくれた上司に感謝だ。
美術館情報を伝授したら、お礼に誘ってくれた。


フランスの至宝のひとつとして、藤田がツール・ド・フランスの絵を描いていたことも
この展覧会で知ったのだった。
下はカタログ:


P1270709.jpg


上述のBS番組はこちら:
「寺島しのぶ・フランス幻想紀行~藤田嗣治『乳白色の肌』に魅せられて~」
関連記事
2013.01.06 Sun | Art| 0 track backs,
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
"shw-greenwood" template design by Shallwill