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絵の再評価、絵の流行ってなんだ?
先日触れた「小学館創業90周年記念企画 日本美術全集 全20巻」発刊前のスペシャル対談(辻惟雄先生x山下裕二先生)を拝聴した。

スライドを用いた内容説明。

配本の順番は、よくあるように、時代順ではない。
第一回配本は、2巻目の「法隆寺と奈良の寺院」

売りは、法隆寺金堂内陣など新撮影との由。
釈迦三尊像などは、背後からのレアな画像も。

第に回配本は、満を持して「若冲、応挙、みやこの奇想」。
若冲、応挙、蕭白、芦雪などを日本のルネサンスとしてクローズアップ。


予想通り、若冲の「動植綵絵」全30幅の話に多くの時間が割かれた。

画中のさまざまなトリビア的な細かい芸に目を向け、例えばー

・「群魚図(蛸)」のタコの足に子ダコが絡んでいる様子
・「群魚図(鯛)」のイカの足がひとつちぎれている様子
・「池辺群虫図」の瓢箪に絡まるようにしてしがみついているオニヤンマ

など宝探し的な楽しさが語られていく。

一方で、山下先生いわく、黒田清輝(「湖畔」の絵など)はキライ、とのことで
最近の志向というか人気筋は、細部に遊び心を配した絵であるような印象を受けた。

そして、そうでないもの、つまり見た目の心地よさだとか、色彩だけで勝負するような絵は、隅に追いやられていく傾向があるのかな、などと。


ただしそのような傾向があるとしても、それはそのまま日本人が好む洋画の方向性には当てはまらないようだ。
むしろまったく逆というか。

洋画の世界では若冲的絵画より清輝的絵画、すなわち印象派はいまだに人気だし、アトリビュートが多く謎解き満載であっても、宗教画フィーバーの世の中がくるようには思えない。

ラファエロがくれば話題になるけど、じゃあ知名度が劣る画家の宗教画ならどうだろう、
例えばギルランダイオやティントレットの宗教画だけで人が呼べるかといえば Noだろう。

私は、日本画でいえば、欧州で絵を学んだ近代画家たちの絵は好きで、
丸山派には疎く、どちらかというと近代美術館や山種美術館にある明治~昭和初期の画家の絵を好み、
洋画でいえば、印象派は少々食傷気味で、宗教画や神話の世界に惹かれつつある・・・・

というわけで、完全に今の日本の人気傾向と真逆を行っているようだ。


・・・と考えて、自分が好きな絵って一体どんな絵だろう。

・ジョットのスクロベーニ礼拝堂のキリストの受難の連作が好き。
・アカデミア美術館のジョルジョーネの「テンペスト」が好き。
竹内栖鳳の「風かおる」が好き。
・シモーネ・マルティーニの「受胎告知」が好き。
・印象派だけどクロード・モネの「舟遊び」も好きだ。

・・・

今まであまり考えたことなかった、好きな絵。
上の絵が好きなわけを考えてみれば、単に絵、そのものだけでなく、見た時のシチュエーションなども加味されている。
だから絵が好き、という感覚は極めてパーソナルなもの。

流行に流される必要などないと思う。


***

『日本美術全集』発刊記念 《スペシャル対談》
日本美術を体感する~若冲を中心に
辻惟雄先生(MIHO MUSEUM館長・東京大学名誉教授)×山下裕二先生(明治学院大学教授)
「弐代目・青い日記帳」さんより
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2012.12.09 Sun | Art| 0 track backs,
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