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日常風景 * 写真・文章 Copyright@”Mas Ciclismo Diary”
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先日教えてもらった「イタリア、旅する心」を読んだ。

これまで知らない世界 - いにしえの日本人のイタリア冒険譚 - が広がっていて、興味深かった。

戦前、日本人がうじゃうじゃ渡欧している様子は呆れるほど。
なんかもう、こぞって旅した印象。

実家に帰った折に、そんな話をしたら、父がバッサリ斬った。
大勢行ったように見えるけど、滞在していたメンバーを見れば、ごく一部の学者たちが入れ替わり立ち代り行っているに過ぎない。
いろいろ読むほどに、そうした同じ連中が繰り返し登場しているのがわかる、と。

都在住の恵まれた環境の一握り。
確かに、パリでxxと会ったとか、イタリアでxxと合流したとか、そんな記述が目に付く。
そうした小さなサークルが欧州内にできていたことがうかがわれる。
そうした特権階級に対する妬みも多少うかがわれるような父のコメントだった。

まあ、ともかくいえることは、本を読んで受ける印象とは裏腹に、いまのように、猫も杓子も行く時代ではなかったということだろう、当たり前のことながら。

もっともごく一部だったとはいえ、今から100年も前にこんなヨーロッパブームがあったのだなぁ、と様々な驚きに満ちていた。

ただし、この本の和辻哲郎氏に関する表記は結構手厳しい。
氏の本から私が感銘を受けた部分(彫刻の内なる力の隆起を感じ入る場面や、物事の内面をとらえる表現力など)には一切触れられておらず。

同氏が、だれそれの名前を汚した、とか、書物の中の年代の表記が違っているとか、誰それが彼の著書を批判しているとか、そんな部分ばかりがクローズアップされていて、残念だった。

さらに欧州に行ってもまるで成果をあげず、結構いい加減な感想しか残していない人も多々いたような書きっぷりになっている。

この著書は伝記ではないので、ひとりひとりに裂かれるページ数はごく限られる。
人の人生のどの部分を切り取るかは筆者に一任され、それによって読者に与える印象は大幅に変わってしまうと思われる。
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2012.11.21 Wed | Books| 0 track backs,
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